ニッケイ新聞 2012年3月8日付け
ブラジルの銀行やスーパーなどで、ダウン症や学習障害といった問題を抱える障害者の特性を認め、顧客に直接応対する業務にも配属する傾向が見られると4日付フォーリャ紙が報じた。
従来は接客業務などからはずされていた障害者が起用された例として挙げられたのは、シティバンクの案内係のエドゥアルド・フェレイラさんや、ポン・デ・アスーカルの包装係のロベルタ・マセッティさん。
26歳のエドゥアルドさんは、16歳になって読み書きを覚えた学習障害者で、カウンターでの対応が必要な用件か、現金自動預け払い機でも対応できる用件かを聞いた上で顧客を振り分けたりするのが主な仕事だ。順番待ちの客にコーヒーを出したりする傍ら、「保険は必要ないですか」とこまめさに問いかけたりする事で、保険の契約数は群を抜くという。
ロベルタさんはダウン症だが、お得意さんの名前も覚え、丁寧な仕事振りは定評があり、手が空いた時には台所に置きっぱなしにされたコーヒーカップなどを洗っておくなどの労をいとわない。
エドゥアルドさんやロベルタさんのように障害を持つ人は一般の人が嫌う単純作業もいとわず、忍耐強さも人一倍というのは、障害を持つ人々も就業できるよう訓練しているリナマラ・リッゾ・バッティさん。
一般企業では従業員の2〜5%の障害者採用が義務付けられており、就労中の障害者は約30万人。接客関係も1万5千人程度いるという。