ブラジル世論調査・統計機関(Ibope)が全国工業連合(CNI)の依頼で行った調査で、ジウマ政権の評価が2度連続で低下、昨年の抗議行動からの回復期と同レベルとなった。これを受け、27日のサンパウロ証券市場はいつにない高騰振りを見せたと28日付伯字紙が報じた。
同調査は14~17日に141市、2002人を対象に行われ、現政権は良い/最善が36%、普通が36%、悪い/最悪が27%だった。統計上の誤差は2%ポイントとされている。
良い/最善の評価は、2月調査より3%ポイント、昨年11月の調査より7%ポイント低い。昨年7月の31%よりは高いが、同8月の37%と同水準だ。悪い/最悪は11月調査の20%から27%に上昇した。同調査が行った九項目の分野別調査も、全項目で不合格が合格を上回った。
評価が特に落ちたのはインフレ対策で、不合格が合格を47ポイント上回る71%に上った。11月調査での不合格は63%で合格との差も32ポイントだから、国民がインフレ高騰を一層感じているといえる。
その他で低下が目立つのは、失業対策(49%から57%)、税金(71%から77%)、金利(65%から73%)。政権評価低下の原因は経済の悪化といえる。
先週発表された、現時点ではジウマ大統領が一次投票で勝利という調査結果とは異なった傾向が出た事で反応したのは株式や為替だ。
27日のサンパウロ証券市場では、政権評価の低下が目に見える形の政策変化を呼ぶ事への期待などから買いが集中。ボヴエスパ指数は昨年9月2日以来の3・65%の上昇となり、指数そのものも1月16日以来となる4万9646・79ポイントを記録した。
経済政策が変化すれば最初に恩恵を受けるとされ、野党側候補が勝てば現政権のように利用される可能性が少ないと目されている公社株は優先的に買われ、ペトロブラス(PB)では、議決権のない優先株式が、ディーゼル油の価格調整後の昨年3月6日の1日9%に次ぐ8・12%の高値を記録。通常株式も、燃料価格の自動調整が承認された昨年10月28日の9・85%に次ぐ7・55%の高値となった。
エレトロブラスは通常株式が9・84%、優先株式が3・52%、ブラジル銀行の株式も6・63%上がった。
PBは政府に利用された公社の代表であり、インフレ対策で、ガソリンなどの派生品を輸入価格以下の値段で売るように強要され、大損失を被った。また、油田開発の入札への参加を義務付けられた事でかかる負荷も資金力を殺いだとされる。
為替の方は1・86%レアル高の1ドル=2・267レアルで引けた。