ニッケイ新聞 2012年3月13日付け
南大河州政府が8日、夏の干ばつによる穀物被害は50億レアルを超えたと発表と9日付フォーリャ紙が報じた。
被害額の予想は、前農年の実績と今収穫期の穀物生産量だけを比較したもので、牛乳の減産などを含んだ、干ばつによる影響のすべてを集計した数字ではない。
南大河州での夏の雨不足は例年以上に深刻で、昨年12月以降、496市の内355市が非常事態を宣言。特に被害が大きかったのはトウモロコシと大豆で、前農年比の減収量は40%台に上るという。
同州政府は、干ばつによる減産を踏まえ、小麦を家畜の飼料に使うことを認めるなどの特別処置を導入。飼料用のトウモロコシ不足分はマット・グロッソ州から取り寄せているほか、連邦政府も公的在庫の中から飼料用トウモロコシを放出する意向を表明している。
また、10日付フォーリャ紙によれば、米国農務局は、干ばつに襲われたブラジルとアルゼンチン、パラグアイの大豆の収量予想を、2012年12月の時点の1億3820万トンより1500万トン少ない1億2350万トンに下方修正した。