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テイシェイラ会長辞任=栄光と黒い疑惑の23年=後任にはマリン会長代行

ニッケイ新聞 2012年3月14日付け

 ブラジル・サッカー連盟(CBF)のリカルド・テイシェイラ会長が12日に、23年に渡る会長の座を降りた。後任にはジョゼ・マリア・マリン会長代行(79)が就任する。13日付伯字紙が報じている。
 3月2日付本紙でも既報のように、健康の問題をCBF役員に訴えていたテイシェイラ会長は、〃休養〃のために8日に休職しており、12日に提出された辞表は、最年長の副会長で会長代行のマリン氏が代読した。テイシェイラ氏は、ワールドカップ現地組織委員会(COL)の会長も辞任することになる。
 これを受け、ジウマ大統領と国際サッカー連盟(FIFA)のブラッター会長は16日に会合を開くこととなった。FIFA側はテイシェイラ氏に代わるブラジル側の交渉役を早急に求め、ワールドカップに向けてのインフラ設備の作業が大幅に遅れているブラジルを急がせる構えだ。
 テイシェイラ氏は1989年、義父のジョアン・アヴェランジェ前FIFA会長の強力な後押しを受け、42歳の若さでCBF会長に就任。在任中にブラジル代表(セレソン)がワールドカップで2度優勝など華々しい一面もあるが、90年代に行ったとされるアヴェランジェ氏とのW杯放映権収賄容疑や、セレソンとスポンサー契約したアメリカの大手シューズメーカー、ナイキとの不正取引など、国内外で汚職の噂が絶えず、ブラッターFIFA会長がテイシェイラ氏の15年のFIFA会長選立候補を断念させたうえ、連邦警察も捜索に乗り出している。また、2011年初頭に大統領府で面会を拒否されるなど、ジウマ大統領との関係も良好なものではなかった。
 テイシェイラ氏の後任のマリン氏はCBFの最年長会長で、任期は2015年4月まで。FIFAをはじめ、サッカー関係者にもあまり知られていない人物だが、「新しいプロジェクトをやるつもりはない」と語るように、あくまでテイシェイラ氏のやってきた業務の継承に徹するという。マリン氏はサンパウロ州サッカー連盟(FPF)と関係が深く、CBFと距離を置いていたFPFが接近する可能性も生まれた。
 なお、近年テイシェイラ氏最大の側近のひとりと見られていた元コリンチャンス会長で現セレソンのディレクター、アンドレス・サンチェス氏はマリン氏の就任歓迎を表明し、自らの去就をゆだねた。セレソンのマノ・メネゼス監督の座が危ういと見る向きもある。
 なお、COLと政府、FIFAとの交渉役にはロナウドが有力視されており、プラティニやベッケンバウアーのような「元名選手の委員」の道を辿る可能性がある。政府側の正式な窓口はスポーツ相が担当する。