電力危機がささやかれる中、エジソン・ロボン鉱山動力相がはじめて、「節電する必要が生まれる可能性がある」ことを明かした。28日付伯字紙が報じている。
鉱動相はこれまで電力制限の可能性を否定してきたが、経済誌「ウォール・ストリート・ジャーナル」の取材で、「4月と5月も少雨が続くようならば、国民に節電を呼びかける可能性がある」ことを認めた。「節電を行なえばサッカーW杯期間中の電力不足を防ぐ手助けになる」という。
これまで連邦政府は、節電の可能性を終始否定してきた。だが、その物言いは当初の「ゼロ」から「バイシッシモ(限りなく低い)」「バイショ(低い)」に変わり、今回のロボン鉱動相の発言となった。
専門家は夏の少雨による水力発電所のダム貯水量減少に伴う電力不足の危険性を指摘し、4月や5月の降雨の結果を待つのではなく、連邦政府が何らかの手段を講ずるべきだと主張している。
だが、連邦政府は、W杯と大統領選挙の年に電力制限を行なうのはジウマ大統領再選の打撃になると見て、電力制限に踏み切る意向がない。
その背景には01年に当時のカルドーゾ大統領が行なった節電対策がある。このときは、節電の呼びかけとともに、一定量以上の使用者には罰金を課すという対策を採ったが国民から不評を買った。ロボン鉱動相もこれを指し「01年の二の舞にはならない」と言う。
また同鉱動相は、W杯の電力対策として、12の試合開催都市にそれぞれ2カ所の変電所を設置し、試合中の停電を回避すると語っている。
水力発電を補うためにはより高価な火力発電が不可欠だが、同鉱動相は2015年までの電気代値上を否定している。この背後にも、選挙年で公共料金の値上ができないことが絡んでいる。
「電力節電の呼びかけも」=ロボン鉱動相が認める
ニッケイ新聞 2014年3月29日