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アマゾンでカカオ栽培=伐採面積1位のシングー

ニッケイ新聞 2012年3月20日付け

 法定アマゾンの伐採面積で筆頭格だったパラー州のサンフェリックス・ド・シングーが、カカオ栽培に転向と18日付エスタード紙が報じた。
 過去10年間の森林伐採面積はサンパウロ市8個分の1万2千平方キロに及び、国内随一の200万頭の牛を放牧してきた町周辺の様子が変わり始めた。
 牛を積んだトラックや材木を積んだ貨物船が日に何度も行き来していた同市では、衛星観測の発達や国際的な伐採反対圧力を受け、放牧の変わりにカカオ栽培を開始。
 不法伐採地で飼育した牛〃ボイ・ピラッタ〃の取締まりが強化され、市場での不買運動も広がっている事で、廉価で開発した放牧場が利益どころか損失を生むようになったためだ。2010年から11年の森林伐採面積は146平方キロで、前年比60%減少した。
 同市の名前を森林伐採のブラックリストから消すにはまだ時間がかかるが、チョコレートの原料となるカカオの栽培を町の主要産業にとの取り組みで、11年の収量は従来の4倍の1500トンに。カカオ栽培は不法伐採で破壊された森林の回復を助け、100ヘクタール以下の小規模農家にも確実な収入源となると期待されている。