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工業界向けに新刺激策導入=白物減税を3カ月延長=他3部門にも同様の処置=G20で最も保護主義?

ニッケイ新聞 2012年3月28日付け

 中銀が1月の経済は前月比マイナス成長と発表した26日、ギド・マンテガ財相が工業界向けに新たな減税処置を発表と27日付伯字紙が報じた。国内工業支援にと矢継ぎ早の政策が発表される中、中長期の対策不足などを懸念する声も出ている。

 マンテガ財相が工業界向けの新刺激策を発表したのは、中銀が1月の経済成長は前月比0・13%のマイナスと発表した直後。11年末に導入した白物家電への減税を3カ月延長し、家具、床材、照明の3部門でも減免税というが、業界は国際的な競争力回復には不充分と見ている。
 昨年の経済成長率が政府目標を大きく下回り、12年こそ回復と期待していた政府の経済スタッフには冷水を浴びせるような中銀発表を受け、市場では12年の経済成長予想が3・3%から3・23%に修正された。
 この流れを断ち切るべくマンテガ財相が発表した減税処置は、冷蔵庫やフォゴン、洗濯機などを対象とする減税処置の6月末までの延長と3部門への減税拡大だ。具体的には、家具や床材の工業製品税(IPI)は免除し、壁紙への課税率は20%を10%、照明部門では15%を5%に各々軽減する。
 持ち家計画や貧困撲滅を掲げる現政権には生活直結型の減免税といえるが、これら3部門の生産比率は工業全体の3%で刺激効果の程は疑問だ。
 国際的な競争力回復を願う工業界の声を受け、徴税額を人件費からではなく実収益から計算する方法も、自動車部品などの輸出品製造部門も含む工業界全体に適用するとの意向も発表されたが、業界としては、現状では他国工業界と対等な競争力を回復するのは難しいとの見方が根強い。
 25、26日付エスタード紙によれば、08年から表面化した国際的な金融、経済危機対策のため、07年から12年にかけて工業界が受けた減免税の恩恵は978億レアル、ジウマ政権で採られた工業界保護対策は40に上るという。
 だが、矢継ぎ早に発表される政策の割りに脱工業化が進み、保護主義的傾向が強まっている事は懸念材料の一つで、輸入車へのIPI課税率の30%ポイント引上げや、メキシコ車の輸入制限などは、貿易の自由化や市場開放に逆行しており、ブラジルはG20で最も閉鎖的になったとの調査結果も報告されている。
 工業製品の5分の1は輸入品という20日付エスタード紙や、国内消費は拡大しても、拡大分は輸入品でまかなわれ、国産品の生産量は増えていないとの26日付フォーリャ紙の記事は、ブラジル工業界の国際競争力がいかに落ちているかを如実に示す一例だ。レアル高や原材料費の高騰で、輸入資材・機材の最大消費者は企業、教育現場の教科書類も国外印刷という現状打破には、インフラや輸送、低コストの電力確保など、省庁を超えた広範囲の対策も不可欠だ。

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