ニッケイ新聞 2012年3月29日付け
28日からインドのニューデリーではじまる第4回BRICs首脳会議のテーマは世界経済危機と、国際通貨基金(IMF)と世界銀行の再編になりそうだ。28日付伯字紙が報じている。
外務省の政策担当事務局長のマリア・エジレウザ・フォンテネレ・レイス氏によると、今回の会議の議題には政治的なものも含まれるが、経済問題が主になる。チベット人が中国の胡錦濤国家主席の弾圧に反対して焼身抗議を行ったことには触れない意向だ。
BRICS5カ国による開発銀行の設立も話し合われる予定で、設立という発表はまだ先のことだが、定款作成などの準備を始めることは発表されるはずという。また、G7加盟国が今年、世界経済の成長の9・5%しか担えないという憂慮すべき状況の中、経済成長の56%を支えるBRICSの力が必要であると強調した。
またBRICS5カ国の首脳は会期中、世界銀行の総裁選挙の候補者指名を一切行わない意向。世界銀行や国際通貨基金の再編はBRICS諸国の関心事の一つで、ジウマ大統領も両機関での新興国の発言力拡大を何度も訴えてきた。大統領は、国際機関の総裁は従来のように先進国のある地域に基づくのではなく、現在の国力に基づいて選ばれるべきだと主張している。
ジウマ大統領は27日にニューデリー入りし、滞在先のホテルで帯同した娘のパウラさんの誕生日を祝った。また、28日にはニューデリー大学で名誉博士号を授与され、夜にはBRICS首脳との晩餐会を行った。