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コラム 樹海

ニッケイ新聞 2012年3月31日付け

 ちょっと古い話なので恐縮至極ながら—あの朗らかで明るい「成人の日」を辱め地獄へと蹴落とすような醜態を曝け出す頓馬な若者のことを少しばかり。新春特別号と銘打った1月19日発売の「週刊文春」のグラビア写真を観てびっくり仰天し、こんな阿呆が今も大手を振って天下の大道をのっしのっしと傍若無人に闊歩するのか—と呆れ果てた▼沖縄県・那覇市の「成人式」が常軌を逸しているの記事は数年前にも月刊誌にあり、激写の写真と非難轟々のコメントが光り輝いていた。この「週刊文春」の写真も同じ写真家の宮嶋茂樹氏だが、「沖縄は今年も無法地帯だった」のタイトルで「那覇市 不肖・宮嶋が見た毎年恒例の乱痴気」とし「徒党を組んで市内を闊歩したかと思えば、缶ビールを片手にくわえタバコ、その上模造刀を懐に忍ばせながら世界遺産の首里城を『占拠』する」と辛口の文が続く▼白っぽい袴と羽織に白足袋という日本着で身を固め、白扇を高く掲げ、蓬髪にねじれ鉢巻をし—顔を大空へと上向きになってのし歩く。世に言う「雪駄の土用干し」とは、こういう情景をいうのだなと痛感したものである。宮嶋茂樹氏は、硬骨漢であり、自衛隊の海外派遣や訓練の模様を鋭く描き取り、無能な防衛大臣に筆誅を加え、イージス艦「ちょうかい」が「Z旗を掲げた」と写真に撮り大喜びの「日本の侍」なのである▼この得がたいジャーナリストも、那覇の無軌道な青年らには呆れ果て「不肖・宮嶋の沖縄新成人式取材訣別」を宣言したが、この怒りの言の葉を那覇教育委員会はいったいどう受け止めるのか—。(遯)