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大統領支持率=FHCやルーラ上回る77%=雇用や消費の波と連動=国民が満足している証拠=今こそ税制改革の実行を

ニッケイ新聞 2012年4月6日付け

 全国工業連合会(CNI)とブラジル世論調査・統計機関(Ibope)の調査によると、3月のジウマ大統領の支持率は、フェルナンド・エンリッケ・カルドーゾ(FHC)元大統領やルーラ前大統領が同時期に記録した支持率を上回る77%だったと5日付伯字紙が報じた。

 3月16〜19日に142市、2002人を対象に行った聞き取り調査によると、ジウマ大統領の支持率は77%で、高人気といわれたルーラ前大統領が第2期政権の15カ月目で達成した数字を第1期で達成した。
 今回の数字は前回調査を5%ポイント上回っており、2011年の経済成長率が2・7%に過ぎなかった事などは、大統領人気に影響しなかった事がわかる。また、就任15カ月目の支持率をカルドーゾ元大統領の57%、ルーラ前大統領の60%と比べると、ジウマ大統領が突出している事が歴然とする。
 支持率が最も高かったのは、6%ポイント上昇して82%となった北東伯だが、前回は69%だった南東伯も75%に上昇。小さな町での支持率は大都市より高く、79%だったという。
 また、国民の42%はインフレ対策を評価しており、前回調査の39%から3%ポイント上昇した。貧困や飢餓撲滅のための取り組みも59%が支持している。政策面で悪いと評価されたのは、税制65%や保健行政63%。金利の高さや治安政策も55%と61%がマイナス評価だった。
 CNIは、ジウマ大統領が高支持率を得ているのは、閣僚交代や連立与党との関係などでも毅然とした態度を見せ、要所要所に関わっている事を示してきた事の結果で、Faxinaの言葉が使われだした頃からは、前大統領と現大統領を切り離して評価し始めたと見ている。
 議会との関係については、ジェツリオ・ヴァルガス財団(FGV)も、議会が大統領を孤立させようとしても、大統領が真摯かつ節制した姿勢で臨めば、国民は大統領の側につくと評価。連立与党が政府に揺さぶりをかけた事は大統領の支持率を上げたともいえる。
 FGVは、支持率調査は国民が現状に満足しているか否かの表れでもあり、雇用や経済が安定して消費が順調な間は支持率も高止まりと予測。レアルプラン導入者として就任したカルドーゾ元大統領は、第1期こそ高支持率だったが、経済失速や高インフレで第2期の支持率が落ちた例だ。
 一方、65%の人が税制にマイナス評価を出したのは、貧困対策や雇用促進でCクラスが増え、税の重みを感じる人が増えている証拠で、FGVはジウマ大統領が14年の大統領選を見越して更なる減税を行うと分析。CNIも今こそ税制改革の時と強調している。
 なお、政府の評価は、最良/良いが56%、普通が34%で、悪い/最悪は8%だった。