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ニッケイ法律相談=その20=回答者 古賀アデマール弁護士

ニッケイ新聞 2012年4月12日付け

 質問=家を借りて住んでいますが、家賃を4年間払っていません。このほど家主から「全額一括で支払ってほしい。払えなければ裁判にして出て行ってもらう」と言われました。支払うお金がないのですが、どうすればよいでしょうか。
 回答=あなたはもとより、そんなにも長期間家賃を取り立てなかった家主にも落ち度があると思いますが、家賃の支払い滞納は、法律では3年で時効になります。
 従ってこの場合、1年分は既に時効になっていますので、3年分は支払う必要がありますが、人に害を与えていますので、道徳的に考えてそれでいいかどうかはご自分で判断してください。
     ◎
 質問=72歳男性です。妻以外の女性との間に子供がいるのですが、その子供には遺産相続権はあるのでしょうか。
 回答=あなたが亡くなった場合、遺産の半分は奥さん、もう半分はお子さんに相続する権利があります。
 奥さん以外の女性との間のお子さんにも相続権はありますが、その半分の中から、そのお子さんに財産が分配されることになります。
     ◎
 質問=2年以上前に、他の車に衝突される事故に遭いました。私の車が損傷したので、加害者が名詞をくれ、「損害賠償を支払うので連絡してくれ」と言われ、再三連絡しているのですが、「家族が来ているから次にしてくれ」などといろいろ理由をつけて何度も逃げられています。どうすればよいでしょうか。
 回答=2年以上前ということですが、もう車は修理されたのでしょうか。
 修理されていてもそうでなくても、必ずしも修理した(する)工場でなくてもいいので、3箇所の修理工場から修理代の見積もりをもらってください。
 加害者がその中で最も安い金額を選び、被害者がその額を損害賠償として請求することになります。
 交通事故の損害賠償は3年経つと時効になり、法律的に請求できなくなりますので注意してください。
 もし示談で支払ってもらうことができなければ、必ずしも弁護士は必要ありませんので、金額が最低賃金40倍までなら小額裁判所(tribunal de pequenas causas)というところで訴え、取り立てることができます。
 ちなみに、交通事故は3年、生活費の請求は2年など例外はありますが、一般の法律問題の大半は、時効は10年です。
 ただし、被害者が未成年者、知的障害者、精神病患者などの場合、時効は一切ありません。

質問の送り先はEメール(ademarkoga@gmail.com)、FAX(11・3208・0733)、手紙(「ニッケイ法律相談」係、Rua Galvao Bueno, 470, 1o. andar, Liberdade, Sao Paulo, SP CEP 01506-000)まで。質問は日本語でもポ語でも可、ただしメールの場合はポ語のみ。質問内容をできるだけ明確にしてお寄せください。