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セルジッペ=囚人たちが26時間篭城=刑務所内での改善求める

ニッケイ新聞 2012年4月18日付け

 セルジッペ州の刑務所で15日に起きた暴動は26時間後に終結し、人質は全員無傷で解放された。17日付伯字紙が報じている。
 事件が発生したのはセルジッペ州アラカジュにあるアントニオ・ジャシント・フィーリョ刑務所で、15日午後2時頃、総計476人の囚人たちが肉親との面会時間を狙い、128人の親類と3人の看守を人質として立てこもった。
 囚人たちは、刑務所で受ける暴行や裁判の遅れに対する告発と共に、食事や清掃を担当する業者の変更など、刑務所内のシステムを変えるための要求を行った。
 これに対し警察は、囚人たちへの水と電力の供給を打ち切り、囚人たちとの対話を行った。囚人たちは16日朝、看守1人と27人の肉親を解放し、水と交換。その数時間後、今度は49人の人質が解放された。また午後には、刑務所内の武器倉庫から盗んだと思われる拳銃や電気ショックガンなどの武器を解放し、事件発生後の26時間後の午後4時には全ての人質を無傷で解放した。
 囚人たちとの交渉に当たったセルジッペ州保安局長のジョアン・エロイ氏は、囚人への扱いの粗悪さや裁判手続きの見直しを行うことを認めたが、刑務所内のシステム変更は認めなかった。
 同刑務所では2009年にも台所やトイレがあらされ、番犬が2匹殺されるといった暴動事件が起こっている。
 今回の事件は、プリメイロ・コマンド・カピタルなどの犯罪集団主導によるものとの見方が当初あったが、最終確認はされていない。事件の首謀者はセルジッペ州の特別監獄へと移動された。
 現在、セルジッペ州には3558人の囚人が収監されているが、この数はセルジッペ州全体の収監能力の2225人を大きく上回っている。

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