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旭硝子がブラジル進出=サンパウロ州ガラチンゲタ市で定礎式=2013年の稼動目指す

ニッケイ新聞 2012年4月20日付け

 世界のガラス市場最大手の旭硝子株式会社(本社東京、AGC、石村和彦社長)が、ブラジルの建築用ガラスおよび自動車用ガラス市場に参入する。現在建設が進められているサンパウロ州ガラチンゲタ市のホテルで18日、定礎式が行われた。敷地面積は約50万平方米、2013年以降各セクションが順次稼動する。16年までに従業員数500人を予定、フロートガラス生産を年間22万トン、自動車用ガラスは50万台分の生産を目指す。式典には東京本社から石村社長や役員らが駆けつけ、三輪昭・駐ブラジル日本国大使、ジュニオル・フィリッポ同市市長、ダヴィデ・カペリーノブラジル支社代表(元在イタリア同社工場長)、エジソン・アパレシードサンパウロ州議ら来賓や、顧客、関係者ら約500人が出席した。

 同社は1907年に設立され、建築や自動車用ガラスを始め、電子部材やその他の化学関連素材を製造・販売している。既に世界30カ国以上で事業展開しており、2020年の売上目標2兆円のうち、30%を新興国が担えるよう事業拡大している。ブラジルはインド・中国・ロシアに続く新たな進出先となった。
 同市はサンパウロ市から北東へ175キロメートル、パライバ地域にある人口約11万人の都市であり、地域における中心的商業都市の一つ。ジュニオル同市長は「念願の大企業が我が市に進出した歴史的瞬間」と同社を歓迎している。
 石村代表(56、兵庫)は挨拶で「ブラジルはこれからも成長が期待できる魅力的なマーケット。南米進出は私たちの悲願だった。世界ナンバー1のメーカーとして高品質な商品を提供し、貢献していきたい」と意気込みを語った。
 92年には地球環境に配慮した企業を表彰する、ブループラネット賞を創設するなど環境保全にも力を入れており、当地でも持続可能な社会の実現に貢献する方針だ。また地域の人材育成を目指し、非政府組織インスティウート・アイルトン・セナ(Instituto Ayrton Senna)と職業訓練校カーザ・ベタニア(Casa Betania)と提携し、教育事業にも取り組むとしている。
 エジソンサンパウロ州議と石村代表は法被を着用し、親睦の印としてサッカーボールを交換、続いてプレートの除幕が行なわれた。最後にアチバイア川筋清流太鼓とサンバグループによる打楽器の競演が式典を締め括り、参加者らは昼食後、建設現場の見学などを行なった。