ニッケイ新聞 2012年5月1日付け
サンパウロ市では、路上に放置されて回収される自動車の数が、2012年に入り1日3台以上のペースになっていることがわかった。4月30日付伯字紙が報じている。
12年の第1四半期にサンパウロ市の路上で回収された自動車の数は1カ月平均で114台、1日に平均3台以上となる。また、路上に捨てられていた自動車の数は458台。2007年は525台だったが、2010年には952台、2011年には1563台と急増しており、現在のペースで行くと12年には1800台を超える計算となる。
自動車が路上に捨て去られていた場合、同じ場所に放置して5日を経た時点で「捨てた」と見なされ、市はその自動車に「5日以内の引取りがない場合は回収」との張り紙を張る。それでも持ち主が名乗り出ない場合は回収され、90日間市の車庫に置かれた後に、市によって競売にかけられる。車の回収に伴う罰金は1万2千レアルで、競売後は、持ち主は所有権を失うこととなる。
だが、回収台数が増えて市の車庫が満杯になっており、路上に捨て去られた自動車の回収の遅れが駐車を妨げたり近隣住民に迷惑を引き起こしたりしていることから、競売までの過程を急がせる動きもある。3月30日に行われたサンターナ区役所主催の競売では50トン分の自動車が処分されるなど、今年は既に8回の競売が行われた。
区役所統括局のマノエル・ヴィクトル・デ・アゼヴェド局長によると、回収される車の大半は廃車状態で、火がつけられたり、窓が割られたり、価値の高い部分が盗まれたりしたものも多い。違反ポイントが非常に高いものや税金滞納車、ブラジル内では修理部品の調達が難しい類の輸入車なども多いという。