ニッケイ新聞 2012年5月12日付け
サウーデ文協の祭りに行った時のこと。健康のため、と最寄駅から同会館までを徒歩で向かったのだが、歩けど歩けど見えてこない。日系人の姿も見受けられず、地図の示す道はどんどん人気のない方へといていく。
暗く不安で心細くなってきた時、やっとみつけた一軒だけ不自然なほど賑やかな会館は、外とは全くの別世界だった—。
大げさに聞こえるかもしれないがそれほど「外と中」の異質さは際立っていた。会場にいた羽藤ジョルジ州議の言葉を借りれば「ここは日本のように安全で楽しい」。
たとえ、日本語話者が減っていったとしても、羽藤州議が言う「ブラジルの中の日本」的な雰囲気はなくさないで欲しいと強く思った。
この日の帰りは親切なご夫妻に声をかけてもらい車で帰宅。怖かった往路とは違い「日本的」な雰囲気の中で帰れる楽しい復路であった。(酒)