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サンパウロ州で新しい高齢者対策=医療を中心に老化を先取り
ニッケイ新聞 2012年5月16日付け
サンパウロ州政府が14日、高齢者の生活の質向上と医療対応を中心とした特別プログラムを発表した。14日付エスタード紙が報じている。
このプログラムは「サンパウロ・アミーゴ・ド・イドーゾ」と呼ばれ、社会開発局や交通局なども参加して行われるが、中心の保健局は、高齢者用の病院六つと地域センター四つ、介護施設一つを建設するために3千万レアルを投入する。年間費用は8280万レアルになる予定だ。
州政府は、州内陸部にある50床以下のサンタカーザ病院6つを高齢者にも対応できるように改修する予定で、イプアンやペドレグーリョのサンタカーザの改修工事は既に始まったという。
リベイロン・プレット、カンピーナス、ABC地区、サントス海岸部に新設される四つの地域センターでは、高齢者医療の専門家養成と共に、老後を活動的に過ごすための専門医による健康面のケアや教育的、文化的活動、レジャーなどを提供。「これら4地区が選ばれたのはサンパウロ州の中でも高齢化の目立つところだからだが、時が経てば他の都市でも出来ていくだろう」と、州保険局長のジオヴァニ・ギド・セリ氏は語っている。サンパウロ市では同様の施設二つが11年前から機能している。
また、ディケア施設はサンパウロ総合大学(USP)レステキャンパス内に建設され、日常生活の一部で介護が必要な高齢者の世話を行う。
サンパウロ州では現在、人口の11%の450万人が高齢者にあたり、2030年には、その数が倍になると予想されている。
「私たちは新興国に見合ったプロジェクトの立ち上げを考えた。サンパウロ州は高齢化問題に先手を打って取り組みたいんだ」とセリ氏は語っている。