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まだまだ低い保健投資=世界平均にさえ及ばず
ニッケイ新聞 2012年5月17日付け
ブラジルは世界第6位の経済大国になったのに、政府の保健投資はまだまだ低く、世界平均にさえ及んでいないと16日付エスタード紙が報じた。
2009年の場合、ブラジル政府は予算の5・9%を保健関係につぎ込んだ。この数字は4・1%だった2000年より改善したが、それでも、先進国の17%や世界平均の14・3%には程遠く、アフリカ諸国の9・6%より少ない。
また、ブラジルが医療などの保健衛生関連分野に費やす金額の半分以上に当たる56%は、国民が自分の懐から出しているという。こちらも、00年の59%よりは減っているが、世界保健機構(WHO)によれば、WHOが分析した193カ国中、保健衛生関連分野の経費の半分以上を国民が払っている国は30カ国だけだという。
WHOによれば、ブラジルで不足しているのは病床数で、1万人当たり26床。欧米は68床、世界平均は30床だった。医師の数はそれなりに足りているはずだという。
09年の政府による保健投資額は、国民一人当たり320ドル。00年の107ドルから見れば3倍になっているが、世界平均は00年で280ドル、09年は549ドルだった。保健投資が最も盛んなのはルクセンブルク大公国で、09年は一人当たり6900ドルの保健投資を行った。