ニッケイ新聞 2012年5月24日付け
連警のヴェガス作戦とモンテ・カルロ作戦の主犯者であるカルリーニョス・カショエイラ容疑者を召喚した議会調査委員会(CPI)が23日に開かれたが、同被告は全質問に一貫して「ノン」と答え続けた。23日付伯字紙が報じている。
2時間23分に渡るCPIでの質問は8人の委員によるもので、その総数は60回に及んだが、カショエイラ容疑者は「ノン」と答え続けた。その「ノン」の数は48回。同容疑者は、「弁護士から何も答えないように言われるからここでは何も言えない」「裁判の際には公聴者の前で話すことはいくらでもあるが、それまでは話さない」の一点張りで、何も答えようとせず、「一体誰が私をここに来るように強制したんだ」と不満さえ口にした。
質問の内容は、モンテ・カルロ作戦で浮かび上がった、マルコニ・ぺリロ(民主社会党:PSDB)ゴイアス州知事との関係を問いただしたものや、カショエイラ被告との汚職に絡んだとされるアギネロ・ケイロス連邦直轄区知事(労働者党:PT)の秘書が交わした交渉の内容に関するもの、デモステネス・トーレス上院議員(元民主党:DEM)の関与や、モンテ・カルロ作戦で逮捕されたクラウジオ・アブレウ容疑者が中西伯担当理事をつとめていたデルタ社との関係などだったが、カショエイラ容疑者の口からは、これらについて何一つ語られることはなかった。
CPIはカチア・アブレウ上院議員(社会民主党:PSD)の提言を受け入れる形で終了したが、アブレウ上院議員はカショエイラ容疑者の態度をふざけたものとし、「私たちはここでミイラに質問しているだけだ。大金をわざわざ泥棒に進呈するために私たちはここにいるのではない。こんなふざけた態度をとる犯罪組織のリーダーのためにばかげた報告書を作る気にはなれない」と怒りをぶちまけた。
CPIのあと、カショエイラ容疑者の弁護をつとめた元法務大臣でもあるマルシオ・トマス・バストス氏は、カショエイラ容疑者の答弁について「合憲である」とし、ゴイアス州の連邦裁判所で5月31日〜6月1日に開かれる公聴会までは質問に答えることは出来ないとしている。
また、同じく23日、カショエイラ被告は高等裁判所(STJ)に人身保護令の適用を求める嘆願を出したが、3対1で否決された。同被告の弁護側は、最高裁判所(STF)に上告を行う構えをみせている。