ニッケイ新聞 2012年5月25日付け
22日下院で、奴隷労働が確認された場合、使用者の資産を接収するという法案が可決されたと23日付エスタード紙が報じた。
サトウキビの収穫期などに、地方から出てきた労働者を劣悪な条件の住居に住まわせた上、低賃金で長時間働かせていたとか、賃金さえ払ってなかったという例が未だに後を絶たないブラジルで、都市部も含めた奴隷労働を減らすための法案だ。
同法案は2004年8月に1度下院で承認されたが、法がむやみに適用される事を恐れる農業畑の議員らの反対で、2度目の承認が遅れていた。
賛成360票、反対29票で承認された法案は、奴隷労働の定義を含むより明確な基準作りを行うため、上院での審議後に下院に差し戻される事が決まっているが、接収された土地や資産は、農地改革や大衆向け住宅の建設などに用いられる予定だという。