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カショエイラ事件=デモステネス氏が証言=カショエイラから電話受理=〃友人を試した〃と弁明も

ニッケイ新聞 2012年5月31日付け

 カショエイラ事件への関与が疑われている元民主党(DEM)のデモステネス・トーレス上院議員(ゴイアス州)が29日、上院倫理委員会で証言を行った。30日付伯字紙が報じている。
 デモステネス氏は、担当弁護士のアントニオ・カルロス・デ・アルメイダ・カストロ氏に伴われて委員会に出席。現在の心境を「私は今、人生最悪のときを生きている。こんな瞬間を過ごすことになるなんて思いもしなかった」と吐露し、鬱状態に陥って治療のための薬を服用していると明かした後、約2時間を個々の疑惑の釈明、3時間を質疑応答に費やした。
 デモステネス氏は、カショエイラ氏のためにロビー活動を行ったことや同氏のグループから賄賂を受け取ったこと、同氏とデルタ社の仲を取り持ったことなど、自身にかかっている疑惑を次々と否定した。製薬会社のヴィタプランに関しては国家衛生監督庁(ANVISA)でのロビー活動を認めたが、ゴイアス州内の他の製薬会社に対して行ったものと同様で、特に便宜を図ったわけではないと弁明した。
 また、カショエイラ氏のグループから受け取った盗聴防止機能のついた電話に関しては、「カショエイラ氏からのプレゼントである」と認め、月30〜50レアルの電話代の支払いもカショエイラ氏が行っていたと証言。デモステネス氏はどんな電話も盗聴を避けられないことは知っていたとした上で、電話代を払わせたのは「自身の過ちだった」と語った。
 また、スロットマシン賭博に関する連邦警察と検察庁の取調べが行われていると電話したことに関しては、「あれは友人が賭博士としての生活から足を洗ったかどうかを試しただけ。実際にはそんな取調べ作戦はなかったが、取調べが進んでいると言うことで、止めたという言葉の真偽がわかると思った」と、カショエイラ氏を〃友人〃と称しながらいきさつを語った。また、カショエイラ氏の汚職の規模の大きさを知ったのは3月になってからであるとした。
 また、デモステネス氏はこの電話の件に触れ、「私が実際にやったことではなく、私が電話口で〃こういうことが起きる〃と言ったことで裁きを受けるなんて」と不満を口にした。
 これらの証言に対し、社会自由党(PSOL)のランドルフ・ロドリゲス上院議員が「カショエイラ氏のグループに電話代を払わせた時点で議員としての倫理失墜だ」と語るなど、委員会ではデモステネス氏の立場がより苦しくなったという見解が大勢となっている。