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ゲイ・パレード=平穏無事だが人出激減=動員数たった27万人?=参加者や観光客は満足も

ニッケイ新聞 2012年6月12日付け

 11日にサンパウロ市パウリスタ大通りを中心に第16回ゲイ・パレードが行われた。大きな事件も起きなかった代わりに観客も少なく、推定27万人の動員で止まった。12日付伯字紙が報じている。
 今年のパレードは、労働者党(PT)のマルタ上院議員とゲイ・パレード運営委員長のフェルナンド・クアレズマ氏の演説後、午後1時40分にサンパウロ美術館(MASP)を出発した。
 昨年は主催者側の発表で450万人という人の出だったが、今年はトリオ・エレットリコ(音響車)同士の間に空白がちらほらと目立った。今年のゲイ・パレードの予算は32万5千レアルと、昨年より12万レアル少なく、トリオ・エレットリコも昨年の16台が14台に減った。
 今年掲げたテーマも、男性下着をはいた宗教画のポスターを使って物議を醸した昨年と一転し、「同性愛嫌悪者には教育や刑法による処罰などの治療が必要」と、政治的ではあっても挑発的なものでは決してなかった。主催者側は今年はじめて入場者数の公式発表を行わなかったが、ダッタ・フォーリャの調べによると27万人に終わったという。
 「27万人? そんなのおかしいわよ。400万人はいたはずよ」とクワレズマ氏は疑問を呈したが、「人の出は二の次よ。大事なのは私たちが通りを占拠して自分たちの権利を叫ぶことにあるんだから」と語った。
 だが、パレードに参加した人や見にきた人たちの満足度は高く、参加者の1人は「こんな格好でパレードに参加するのは2回目だけど、注目されてうれしいわ」と語り、市外や外国からの客も「遠くからはるばる来たかいがあった」と語っている。ダッタ・フォーリャによれば、この日の外国人観光客は2700人で、サンパウロ市外から来た人は全体の40%、パレードに集まった人の34%は異性愛者だった。午後6時13分に最後のトリオ・エレットリコがルーズベルト広場に到着し、パレードは閉幕した。
 警察によると、今年は大きな混乱は起きておらず、同性愛嫌悪者として知られ過去のパレードで暴行を働いたスキンヘッズは、人種による偏見などに反対するスキンヘッズのグループに説得されて退散。偏見反対派の80人はパレードにも参加した。目立ったトラブルは酒に関するもので、酔っ払いら100人が医者にかかり4人が病院に運ばれたほか、大量の酒類が押収された。また、携帯電話の盗難が8件あったという。
 カサビサンパウロ市市長やアウキミンサンパウロ州知事も開幕式に参加したが、サンパウロ市市長選候補の参加は3人のみで、民主社会党(PSDB)のジョゼ・セーラ氏やPTのフェルナンド・ハダジ氏、民主運動党(PMDB)のガブリエル・シャリッタ氏は姿を現さなかった。