ニッケイ新聞 2012年6月12日付け
「今年にかけている」。そう記者に語ったサッカーの西村竜馬選手には、18歳とは思えない落ち着きがあった。
渡伯の決意を両親に告げたのは高校3年の夏、電話越しでの「行くから」の一言だった。その勇気ある決断は若さも手伝ったのだろうが、感服の思いだ。きっと生半可ではない覚悟があったに違いない。
グローボではコリンチアンスの中国人選手と比較してポ語が話せないことが強調され、取材時に居合わせた別の伯メディアは「ブラジルの女性をどう思うか」「彼女はいるか」と質問していた。
当地メディアは、能力にも注目しつつも東洋人選手はあくまで「お客さん」という視点で見ている気がする。今年の終わりにはそれが幾分変化しているだろうか。
本人も「勝負はこれから」という思いを強くしただろう。これからも注目していきたい。(詩)