ニッケイ新聞 2012年6月16日付け
本紙の本頁で連載中の小説「ガブリエラ」のテレノヴェーラの放映が、TVグローボで18日夜10時20分から開始される。
1920年代のバイーア南部のカカオ農園を舞台に、恋愛に対して奔放で権力にも屈しない自由さと勇敢さを持って生きた魅惑の女性を描いた小説「ガブリエラ」は、ブラジルが生んだ文豪ジョルジ・アマード(1912—2001)が1958年に発表した作品で、同氏にとって「ドナ・フロールと2人の夫」などと並ぶ代表作だ。
「ドナ・フロール」は1976年に映画化され、2005年までブラジル映画の動員記録を保持するほどの大ヒットとなったが、「ガブリエラ」も75年にTVグローボでドラマ化され、同局のテレノヴェーラ史上、今日まで「70年代最大のヒット作のひとつ」として語りつがれている。
今回のテレノヴェーラ版「ガブリエラ」は、ジョルジ・アマードの生誕100周年を祝って制作されたリメイクだ。TVグローボは昨年、1977〜78年の大ヒット・テレノヴェーラ「オ・アストロ」をリメイクし、好評を得ていたが、それに続くリメイク第2弾でもある。
75年版の「ガブリエラ」でガブリエラを演じたのは、「ドナ・フロール」でもドナ・フロールを演じ、80年代に「蜘蛛女のキス」の大ヒットで国際的女優となったソニア・ブラガだが、今回ガブリエラ役をつとめるのは、2009年にTVグローボの9時のノヴェーラ「カミーニョ・ダス・インディア」でヒロインを演じ、ブラジルにインド・ブームをもたらしたジュリアナ・パエス。
文豪の名作かつ大女優が演じた役という大役を引き受けることとなったジュリアナは、5月21日付フォーリャ紙に「ソニアとの比較は避けられません。この役が決まったとき、なんて大変な役を引き受けたんだろうと思いましたが、いつも通りにやるだけです」と心境を語った。
ジュリアナによると、ガブリエラ役の最も難しいところについて「妖艶さと純粋無垢を同時に持ち合わせることです。この二つは時として相反するものですから」と語っている。また脚本を手がけたヴァルシル・カラスコは、今回の「ガブリエラ」は75年のドラマの焼き直しではなく、原作小説を元にして一から作ったものであると語っている。
また、一時噂にあがったソニア・ブラガのゲスト出演の話は実現しないようだが、ソニア本人は今回のジュリアナのガブリエラ配役を「完璧だ」と太鼓判を押している。(なお、「ガブリエラ」の放送時間は、その日により変わるので要注意)