ホーム | ブラジル国内ニュース(アーカイブ) | 失った原生林は38%=伐採は減ったがゴミ増える

失った原生林は38%=伐採は減ったがゴミ増える

ニッケイ新聞 2012年6月20日付け

 地理統計院(IBGE)が、森林伐採は減少傾向にあるがブラジルは原生林の38%を既に失い、ゴミや下水の排出量は増加中と発表と19日付エスタード紙が報じた。
 原生林の喪失が最も激しいのはマッタ・アトランチコ(西大西洋岸森林地帯)の88%で、以下、南大河州南方のパンパ64%、中西伯のセラード49%、北東伯のカアチンガ46%と続く。一方、世界が注目しているアマゾンの森林喪失は15%で、南北マット・グロッソの西側にあるパンタナルと同率だ。
 森林伐採は全体に減ってきたが、それと反比例するように増えてきているのは、ゴミや下水。都市化が進む一方で、ゴミの分別回収が行われている自治体は20%以下で、ゴミ処理問題は、全国的な課題の一つだ。
 一方の下水処理は、1995年は全ての下水が垂れ流しという自治体が90%だったものが、2008年には未処理のまますべて排出という自治体は34%に減少。全国的に上下水道が完備するにはまだ時間がかかりそうだが、1992年のリオの環境会議から20年たった今、環境への意識や取組みにもある程度の改善が見られたことが数字からうかがわれる。
 また、住環境が適切か否かという統計では、現在も、居住にはあまり望ましくない状態の住居に住んでいる人が50%。貧困撲滅対策にも期待がかかるゆえんだ。