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クラコランジア=取締り対象に2地区追加=分散傾向にある常用者たち

ニッケイ新聞 2012年6月21日付け

 サンパウロ市のクラコランジア取り締まり作戦が南部まで拡大されることになりそうだ。20日付エスタード紙が報じている。
 サンパウロ市のクラコランジア取り締まりは1月3日にセントロのルス地区ではじまったが、サンパウロ州の法務ならびに市民防衛局のエロイザ・デ・ソウザ・アフーダ局長は、取り締まりの対象地域を拡大する予定だという。
 同局長によると、取り締まりを新たに行うのは2地区。ひとつは南部カンポ・ベロ区のブルックリンやジョルナリスタ・ロベルト・マリーニョ大通り周辺で、もう既に取り締まりを進めているという。もうひとつはサンパウロ市中央部のバイシャーダ・ド・グリセリオでこちらも年内には開始する予定だ。両地区ともルス地区での取り締まり通り、警察による運び屋の逮捕や常用者に対する医療ケアなどを行うという。
 ルス地区で行われたクラコランジア取り締まりは、常用者を27の地区に散らしたとして市民からの非難の声があがっており、常用者による住民への攻撃も増えている。グリセリオでは19日、46歳の女性銀行員が常用者に車を盗まれそうになった。ロベルト・マリーニョ大通りでは、中央分離帯で麻薬を吸引している常用者が車を襲ったりしている。
 エロイーザ局長は、クラコランジアの取り締まりの不備で住民に損害が及んだとして、検察局が州に4千万レアルの賠償請求をしたことに対し、「700人以上の常用者の治療に対処し、400人以上の運び屋や120人の逃亡犯を逮捕した。1千人もがたむろしていたクラコランジアはもう存在しない」と語り反論している。州政府は、ルス地区のクラコランジアの取り締まりは期限を設けずに続行するという。

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