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インドネシアでブラジル人死刑へ=同国へのコカイン持込で

ニッケイ新聞 2012年6月23日付け

 インドネシアで麻薬密輸容疑で逮捕されたブラジル人が、向こう数週間以内に死刑執行される予定であると22日付フォーリャ紙が報じている。
 マルコ・アルシェル・モレイラ容疑者(50)は、2003年にジャカルタ空港で、13・4キロのコカインを持ち込んだ容疑で逮捕された。この量は現在に至るまで、同国に持ち込まれたコカインの量としては最大規模にあたる。モレイラ容疑者には2004年に死刑が言い渡された。
 死刑が執行されれば、モレイラ容疑者は国外で最初に死刑となったブラジル人となり、同時にインドネシアではじめて死刑執行される西洋人となる。インドネシアには現在、2004年に6キロのコカインを持ち込んで逮捕されたブラジル人のロドリゴ・グラルテ容疑者を含む約30人の外国人死刑囚がいる。インドネシアでは1997年から麻薬の密輸者に対しての死刑判決を制定している。
 リオ生まれのモレイラ容疑者はハングライダーのインストラクターをしていたが、1997年にバリ島でパラグライダーから落下してシンガポールで入院生活を送った際の治療費が払えず、麻薬密輸に手を染めた。03年に逮捕されたときは、ペルーで麻薬を手に入れインドネシアで売ろうとしていたという。
 死刑の罷免にはインドネシアの大統領の恩赦が必要だが、ロドリゲス容疑者は2006年と2008年に恩赦を求める嘆願書を出したものの却下されている。〃リオ+20〃に参加するため来伯中のユドヨノ大統領は、08年に却下を下した。
 モレイラ容疑者らの死刑執行は、検事のアンディ・コンゴアッサ氏が20日付のインドネシアの英語新聞「ジャカルタ・ポスト」で明らかにした。この話は外務省にも伝わっており、何らかの対策を講じる意向だ。2010年1月にはルーラ大統領も恩赦の嘆願書を出している。