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コラム 樹海

ニッケイ新聞 2012年6月23日付け

 消費増税法案がやっと成立しそうだ。民自公3党の幹事長会談で合意し、早ければこの26日にも衆院で可決されるが、今の財政悪化を見れば—国民の嫌がる増税もやむをえまい。この消費税では自民党も苦労し、大平首相や大勲位の中曽根首相も苦心惨憺し、竹下内閣が税率2%の法案を可決し「消費税」が生まれたのだが、その後の橋本政権も消費増税で選挙敗北の痛棒を頂戴している▼と、ここは野田首相の頑張りを評価したいが、民主党も、まだまだ枕を高くしては眠れない。党の一方の旗頭・小沢一郎元代表が、増税反対を叫び、政策勉強会や子飼いの衆議ら49人かを集め、首相と執行部が採決に踏み切れば「新党結成も視野」の爆弾を投げつけた。このため政界は一挙に真っ暗闇に追いこまれ、民主党分裂は不可避の観測が永田町に渦巻いている▼日本のマスコミは「豪腕、最後の賭け」と派手な見出しを掲げているけれども、選挙に強い小沢氏に対し、有権者がどんな反応を示すかは神様だけが知っている。国民も1千兆円に及ぶ国の借金に渋い顔だし、高齢化社会を迎え社会保障の予算には増税も仕方がないの認識が高まっていると見たい▼今の見通しでは、26日の衆院採決の日が小沢派造反だろうが、それでも50数人だろうから世を騒がせた消費増税もやっと実現するのではないか。それに—渡辺恒三党最高顧問は「小沢君に新党を造ってもらいたいなんて期待は国民にない」と斬り捨てるけれども、これまでの政界で鳴らした凄腕の小沢氏が、かってないこの苦境?と難局をどう乗り切るか—である。(遯)