ニッケイ新聞 2012年6月26日付け
「気持ちで応援するだけではなく、現地の実情を見てみることが大事では」—。ブラジル日本都道府県人会連合会(県連、園田昭憲会長)が主催する『東北被災地応援ツアー』が10、11月にかけ、22日間の日程で実施されることが決まった。担当の本橋幹久、山田康夫両氏が説明のため来社した。
「我々一世はもちろん、二、三世でも日本に行ったことがあり親しみを感じている人は多い。どの日系団体もさかんに募金活動を行ったが、それだけで終わっている」と本橋氏。直接、県庁などに義捐金を渡してつながりができた県人会もあるものの、大半は顔が見える支援になっていないのが現状だ。
そこで、県連は冒頭のような趣旨のもと、運営委員会を設置。日本の観光庁によるキャンペーン『東北観光博』で訪日する計画もいったん立てた。しかし、「被害がなかった仙台や盛岡のホテルに泊まっても被災地の様子がわからない」と中止し、「実情に触れ、被災者を応援できるようなツアーを」と内容を再検討してきた。
県人会を通じ、趣旨を説明した上で被災した県庁と調整した結果、岩手県釜石市、陸前高田市、宮城県女川町、石巻市、名取市、福島県いわき市、原発立ち入り禁止地域境界ゲート、風評被害地などの訪問が実現することになった。
代表者の県庁訪問も予定され、被災地のほか平泉、松島、会津若松、東京都内など観光地も見学する。
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10月14日にグアルーリョス空港出発、11月4日に帰国する。東北訪問は8日間。12〜19日目は自由行動。
この間、10月30〜11月1日、東京で開かれる『第53回海外日系人大会』(テーマ・共に歩もう日本再生の道—問われる海外日系社会の課題)への参加も可能(参加費別)。
旅行料金はツインルーム使用で一人当たり5897米ドル(+空港税)。シングルルームの場合は追加料金675米ドル。10月25〜31日まで(自由行動日)のホテル代は含まれない。最低催行人数は20人。
ブラジル国籍者は日本の観光ビザが必要。問い合わせは県連(11・3277・6108)、またはグローバル旅行社(同3572・8990/8995)。申し込みは同社まで。