ホーム | 食・音楽 | 音楽 | あすよりCDJ音楽祭=ラ米最大のクラシック祭典=エレアザールの影響色濃く

あすよりCDJ音楽祭=ラ米最大のクラシック祭典=エレアザールの影響色濃く

ニッケイ新聞 2012年6月29日付け

 明日30日より7月29日まで、ラ米最大のクラシック音楽の祭典、カンポス・ド・ジョルダン冬季国際音楽祭が開催される。
 サンパウロ州からリオ州、ミナス州にかけて広がるマンチケーラ山脈にあるカンポス・ド・ジョルダン市での音楽祭は、1970年に、ブラジルのクラシック音楽史に残る指揮者で、小沢征璽も指導を仰いだエレアザール・カルヴァーリョ(1912—96)らの尽力により実現。豊かな緑と清浄な空気に恵まれた美しい街という舞台設定も評判で、国内外の音楽家や観客が集まる音楽祭は、今年で43回目を迎える。
 また同音楽祭の売りのひとつとして「クラシック音楽家の育成」がある。これは1973〜87年の同音楽祭を主催したエレアザールの意向でもあり、クラシック音楽家の卵たちが著名な奏者からレッスンを受ける機会がもうけられている。エレアザールは奨学金制度を作り、新人の育成に尽くしたが、それは現在も彼の息のかかったサンパウロ州交響楽団の財団に受け継がれている。現在その奨学金を受けている人の30%は外国人で、音楽家育成の規模も世界的なものだ。
 そのエレアザールの生誕100周年を迎える今年、同音楽祭の最大の目玉は7月7日、14日、21日にクラウジオ・サントロ公会堂で行われるコンサートで、サンパウロ州交響楽団指揮者(マエストロ)のマリン・アルソップに加え、リチャード・アームストロングやジャンカルロ・ゲレーロといった世界的な大物指揮者が参加するほか、チェリストのヨハネス・モセールやブラジルのピアニストのネルソン・フレイレなど、著名な演奏家も加わる。また、クラシック音楽を学ぶ学生たちが大物指揮者や演奏家から指導を仰ぐ特別プログラムも用意されている。
 また、今年はテーマのひとつとしてブラジルのクラシック音楽家にスポットをあてており、ヴィラ・ロボスやカマルゴ・グアラニエリ、カルロス・ゴメス、アルメイダ・プラードといった、ブラジルが生んだ作曲家に捧げたコンサートが予定されている。また、現在のブラジルクラシック音楽界を代表する作曲家のアンドレ・メーマリによる特別演奏会や、ジョアン・ギレルメ・リッペルによるオペラ「ピエダージ」のオーケストラ版コンサートも予定されている。
 同音楽祭に関する詳細は、サイトhttp://www.festivalcamposdojordao.org.brまで。