ニッケイ新聞 2012年7月3日付け
6月28、29日にパラグアイ在住のブラジル人2人がブラジルとの国境付近で殺害され、現在同国で問題となっている「ブラジグアイオス」に絡んだものではないかとの憶測が流れている。1日付エスタード紙が報じている。
殺害されたのはオスニ・デ・オリヴェイラさんとタデウ・フラッツェンさんの2人。オスニさんはマット・グロッソ・ド・スル州と国境を接するコンセプシオン県アゾテイで28日に射撃されて死亡。オスニさんはブラジル人のトニーニョ・バッジオ氏の農場で農機具作業員として働いていた。
また、フラッツェンさんは29日夜、パラグアイ第2の都市シウダー・デル・エステ近くのサンタマリア・デル・モンダイでバーから出ようとした際に2人の男から8発の銃撃を受けた。
アスンシオンのブラジル大使館とシウダー・デル・エステのブラジル領事館は、パラグアイで40年ほど前から土地所有を進めているブラジル人農夫やその農場で働くブラジル人の「ブラジグアイオス」を狙ったものではないかとの疑いを持ち、現地警察の捜査を見守っているが、ルゴ大統領罷免によるパラグアイのメルコスールの加盟資格停止でブラジルとパラグアイの国交が閉ざされているため、両国政府の連絡は取れていない。
パラグアイの新聞ABCコロールによると、オスニさんの殺害はテロリスト集団パラグアイ人民陸軍(EPP)によるもので、農場に侵入し、農機具に火をつけるなどしたという。
ブラジグアイオスたちはフェデリコ・フランコ大統領の新政権を歓迎している。ルゴ前大統領が掲げていた農地改革は長く政権を握っていたコロラド党のやり方を覆すためで、ブラジグアイオスたちの土地や立場を脅かしていた。彼らは、ジウマ政権がパラグアイ新政府を速やかに承認することを求めている。