貿易収支がここ10年で最悪に=上半期の黒字70億ドル=前年同期比45%も減少=6月だけなら82%縮小
ニッケイ新聞 2012年7月4日付け
商工開発省が2日、今年上半期の貿易収支は70億7千万ドルの黒字でここ10年で最悪、6月の黒字は8億700万ドルに終わり、昨年同月比81・8%縮小と発表したと2日付各紙サイトや3日付エスタード紙が報じた。
1〜6月の貿易収支が70億7千万ドルの黒字という数字は、26億2千ドルの黒字だった2002年こそ上回るが、104億ドルの黒字計上の2003年は下回り、ここ10年で最悪の結果。129億5千万ドルの黒字だった2011年上半期との比較では45・5%の落ち込みだ。
貿易収支の黒字額縮小は、輸出が1172億1千万ドルで昨年同期比1・7%減だったのに、輸入は1101億4千万ドルで昨年同期比3・7%増えた結果だ。
輸出の落ち込みは、欧州の経済危機が長引き、国際的な需要が落ち込んでいる事や、南米最大の貿易相手国で工業製品の22%を購入してくれていたアルゼンチンの輸入制限で同国向け輸出が減少した事などの影響が大きく、ここ数カ月のドル高による好影響を打ち消した形となっている。
それに追い討ちをかけたのは、ブラジルの輸出品目の中でも国際的な競争力の高い、鉄鉱石や砂糖などのコモディティの価格が下落している事。中国経済の減速化で鉄鉱石需要が減少すれば、輸出額にも当然響く。
一方、輸入の増加は、ブラジルコストと呼ばれる税金や人件費、原材料費の高さ故の競争力喪失が大きく、学校用の教材や聖書といった印刷物さえ輸入品に市場を奪われている。為替の不均衡が改善しても輸入が伸び続けている状態は、国内産業の回復も遅らせる。
特に心配されるのは、6月の貿易収支が8億700万ドルの黒字で終わり、44億3千ドルの黒字だった昨年同月より81・8%縮小した事。5月は29億5300万ドルの黒字だったから、前月比でも72・7%落ち込んだ事になる。
6月の貿易には港湾職員のストも影響。輸出用の品が港で止まったり、輸出されても台帳に記載されずに終わったりした事が経済活動を妨げた。
商工開発省は国際的な需要の縮小などの影響は下半期も続くと発言。ブラジル貿易会のジョゼ・アウグスト・アストロ副会長は、ブラジル貿易は原材料輸出が70%近くを占めるようになっており、中国経済がさらに減速したり国内消費が加速して輸入が増加したりした時は貿易収支が赤字となる可能性もあると指摘。これらの要因を避けえても今年の貿易黒字は30億ドル程度と予想し、「祈る以外に道はない」と発言している。
現時点で中銀は、今年の貿易収支黒字額を180億ドルと予想。市場関係者は192億ドル、全国工業連合は208億ドルと予想する中、7月の動向が今年の貿易額の推移や国内産業の回復予想を方向付けそうだ。