ホーム | 日系社会ニュース | 「ハーブ、果物の輸出を」=古希で夢語る平手正男さん=ペルーに加工工場を設立

「ハーブ、果物の輸出を」=古希で夢語る平手正男さん=ペルーに加工工場を設立

ニッケイ新聞 2012年7月4日付け

 南米産のハーブや果物等の輸入・販売を行なう株式会社サンシントレーディング(本社・愛知県小牧市)の平手正男代表取締役(70、愛知)が先月南米を訪れ、新たな商品市場を探ると共に、食品加工製造工場を建設するため、アマゾン川の上流に位置するペルーのプカルパ市に2万5千平方米の土地を購入した。
 1972年に有限会社サンシン運輸として移住者向けの引越しサービスを始めたが、「折角毎年行くんだから、南米のいいものを日本に持っていきたい」と94年に同社を立ち上げ、ペルーからはハーブ、ブラジルからはアセロラやアサイー、パフィアと呼ばれるブラジル人参などの輸入・販売を始めた。
 「でも何を輸出するにしても、乾燥・加工しないと日持ちがしない」と平手さん。同市では、ビタミンCがレモンの10倍あるといわれるカムカム栽培が盛んで、年間1千トン以上も生産している。冷凍やジュースにして近辺に販売していたが、加工設備が十分にないため腐ってしまうものも多いという。
 今回、長年平手さんの活動を支えてきた日本・日系人の「全面的に協力する」との言葉を得て工場設立を決意した。50年前に胡椒栽培のためブラジルから移住した10世帯のうち同地に留まった5世帯の協力のもと、今月から道路敷設工事を開始、来年末までの完成を目指す。
 新工場では冷凍ジュース、ガラナ、ノニ、パフィア等を加工する予定。「将来天然のものは持ち出せんようになるはず」とノニは1500本を植栽済み、現在アサイー1万本を植栽中だ。
 「日本だけでなく世界にも出荷したい」と大きく夢を語る平手さん。「70になって何をと言われるけど、僕は100まで生きるつもり。何かやっとらんと気がすまんたちだから」と豪快に笑った。