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援協=グアルーリョスにも新病院建設へ=長期入院、SUSを受付=やすらぎホームの跡地に

ニッケイ新聞 2012年7月5日付け

 サンミゲル・アルカンジョに引き続き、グアルーリョスでもSUS病院を—。サンパウロ日伯援護協会(菊地義治会長)がこのほど、サンパウロ州グアルーリョス市に長期入院を要する患者を専門に受け付けるSUS病院を新設することが正式決定した。同市役所で先月26日、セバスチャン・アルメイダ市長と菊地会長が出席のもと合意書の署名式が行われ、現在建設が進むサンミゲル・アルカンジョ市のSUS病院を開所して後(12月1日を予定)、来年から建設が着手される予定だ。

 「採算は取れないと思う。しかし今の政府は弱者への支援に力を入れていく方針を示している。高齢者医療に関しても今後いろいろ変わっていくのでは」。菊地会長は取材に対し、困難が予想される運営に関して、こう見方を示した。
 州内ではサンパウロ市に次ぎ2番目の人口を擁するグアルーリョス市。近年で人口が急増したため既存の医療機関は飽和状態で、特に高齢者を受け入れる施設が不足し、体制の整備が急務だったという。
 援協としては公益福祉団体の認可更新を目的に実施する必要があったプロジェクトの一つで、両者の利害が一致して実現に至った格好だ。
 建設予定地は現在やすらぎホームがある土地。同ホームでは法的規制により一部入居者が敷地内の別施設へ移ったため(6月16日付本紙)、土地の活用方法が検討されてきた。
 建設費は全額援協が負担する。予算は計2千万レで、建物と医療機器の設置にそれぞれ1千万レずつあてられる。菊地会長によれば、名誉会長の神内良一・国際協力財団理事長の支援を受けられる見込みだという。
 2期6年計画。1期3年、2期3年でそれぞれ50床を設置し、SUS(統一医療保健システム)を専門に受け付ける。
 菊地会長によれば、援協の運営する各老人ホームでは年々、高齢で寝たきりの入居者が増えつつある。ホームはあくまで福祉施設だ。今回の病院新設は、そういった入居者に対して医療行為を行えるような受け皿として機能させるという目的もあるという。