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宮城県人会青年部が活躍中!=ジウリアーノ部長「とてもいい雰囲気」

ニッケイ新聞 2012年7月24日付け

 県人子弟とは関係のない若者で構成される「青年部」が宮城県人会に発足し、昨年1月から活発に活動している。
 「県人会そのものがいい雰囲気。メンバーは皆活動を気に入っている」と誇らしげに話すのは、中心的存在であるジウリアーノ・デ・セーボさん(21)だ。
 部員は20人で大半が10代後半から20代前半。日系と非日系の割合は半々。日本語を話すのはジウリアーノさんのみだが、太鼓をはじめとする日本文化を愛する若者の活気ある集まりだ。
 結成の発端は、ジウリアーノさんがリーダーを務めていた太鼓グループ「隆盛太鼓」が、稽古の場所として県人会会館を使用し始めたこと。県費留学生・研修生OBがサンパウロ市に少なく若手を求めていた県人会が会活動への協力を依頼。同メンバーでの結成が決まった。
 定例行事から大規模な七夕祭りなど県人会のイベントの支援や、週一回のミーティング、太鼓の練習に加え、独自に「日本文化を学ぶ会」を開く。俳句や日本史など毎回のテーマに沿った本を各自が読んで話し合い、知識を深めている。
 また、今年4月から県人会各部門同士の交流を図ることを目的に、青年部主導のイベントも開いた。「人がたくさん来て盛り上がった。利益も出た」と胸を張る。
 発足から1年以上経過した今、活動に手応えを感じているというジウリアーノさんは「青年部と婦人部が県人会活動に果たしている役割は大きい」と実感している。
 「会員同士、互いに名前を覚えて呼び合っている。小さなことかもしれないが大事。青年部の若者、という一括りにした呼び方では、誰も動かない」
 イタリア系四世のジウリアーノさんは、メンバーの中でも群を抜く大の日本ファン。
 サンパウロ市出身で「小さい頃からなぜか日本の文化に魅かれた」。物心ついたときから剣道や生け花の本を読んでいたという筋金入りで、10歳で忍術を習い始め4段の腕前だ。また今年3月に得度した曹洞宗の僧侶でもあり、戒名は「浄賢」だ。
 今年10月、静岡県の寺での修行が決まり、念願の初訪日が叶う。
 中沢会長は「日本祭りも七夕祭りも、彼らが中心になってくれた。非常にいい形の協力関係」と喜びながらも「今後は、彼らにどういうチャンスが与えられるかが課題。宮城県に行きたい若者を派遣できるような仕組みを整えられれば」と話している。