ニッケイ新聞 2012年8月7日付け
後半に突入したロンドン五輪の8、9日目、ブラジルは男子サッカーが準決勝進出を決め、過去4度メダル獲得のセーリング(ヨット競技)のロベルト・シェイトが銅メダルを獲得。10日目には、男子体操のアルトゥール・ザネッティが体操では五輪初の金メダルを獲得した。5、6日付ブラジルメディアが報じている。
サッカー男子代表は4日、ニュー・キャッスルのセント・ジェイムス・パークでホンジュラスを相手に準々決勝を戦い、苦しみながらも3—2の逆転勝利を飾り、準決勝進出を決めた。
前半11分、ホンジュラスは巧みなパス回しからマルチネスがゴール左隅へのシュートで先制。追いかける立場となったブラジルは、ホンジュラスのラフ・プレーを受け、思い通りの試合展開が出来なかったが、33分、ホンジュラスのディフェンダー、クリサントがイエローカード累積退場。数的に有利になった後の37分、ゴール前でのディフェンダーの取りこぼしをレアンドロ・ダミアンが押し込み同点に。
後半2分、エスピノーザのゴール右隅へのゆるいシュートをこの日初先発のキーパー、ガブリエルが止められず、ホンジュラスに2点目を許したが、3分後にネイマールがペナルティ・キックを決めて同点に追いつくと、14分にはネイマールからのアシストを受けたレアンドロ・ダミアンが2点目を決め逆転。
ホンジュラスはその後、エスピノーザも累積退場して勢いをなくし、ブラジルがそのまま逃げ切った。準決勝は6日で、ブラジルはブラジル時間午後3時45分、英国を下した韓国と対戦する。ブラジルは球技での活躍が目立ち、バレーとビーチバレーの男女、バスケット男子、ハンドボール女子が準々決勝進出を決めている。
また5日、セーリングスター級で、ロベルト・シェイトとブルーノ・プラダのコンビが銅メダルを獲得した。シェイトにとってはアトランタ、アテネの金、シドニー、北京の銀につぐメダルだが、前日までの順位よりひとつ落ちての銅が不満のシェイトは、「狙っていたのは金だったのに」と悔しさを露にしたうえ、「次のリオにはもちろん出て、僕の競技人生の集大成とする」と語った。リオ五輪に出場した場合、シェイトは43歳となる。
さらにブラジル時間の6日午前、男子体操の吊り輪で、アルトゥール・ザネッティがブラジル史上初となる五輪体操での金メダル獲得の快挙。種目別決勝で8人の最後に演技したアルトゥールは、同種目二連覇を狙う北京五輪の金メダリスト、陳一氷のポイントを上回る15・900ポイントを獲得して優勝。アルトゥールは22歳で、リオ五輪での活躍も期待される。