ニッケイ新聞 2012年8月16日付け
教育省が14日、11年の基礎教育開発指数(Ideb)は、小学過程が09年より0・4高く期待以上の5、中学過程も0・3高い4・7だったが、高校過程は期待以下の0・2高い4・1で終り、カリキュラムの見直し検討を発表と15日付伯字紙が報じた。
Idebは5年生と9年生、高校3年生の学力を〃プローヴァ・ブラジル〃と呼ばれるポルトガル語と数学(小学過程では算数)の試験で評価した上に留年率を加味して算定。2年毎に目標を達成できたか否かを見て、全国の教育システムのあり方を評価する。
同指数は0〜10(10が最高)で表され、11年の目標値は、小学過程が4・6、中学課程が4・7、高校過程は3・9に設定されていた。
09年の全国平均は、小学過程が4・6、中学過程が4・4、高校過程が4・0だから、小学過程と高校過程は09年の時点で既に11年の目標を達成していた事になるが、11年の小学過程の場合、学力の伸びは0・22だが、留年や中退が減って在学生の回転率が上がった事で全体の指数が改善されたという。
在学生が確実に上の過程に進む事はブラジル全体の学力向上に不可欠で、小学過程の指数の伸びは教育関係者にとって明るい材料だ。他方、高校過程の指数の伸びが0・2に止まった事は現場の期待を裏切ったようで、教育省では13科目(関連科目も入れると19)という現行のカリキュラムを早急に見直す意向だ。
また、公立高校生の学力は私立中学生より低い(数学では公立高校生の265点に対し私立中学生が298点)など、公立校と私立校の間の格差は依然として大きい。
全国平均の指数は私立校と公立校を総合したものだが、公立小学校の平均指数は4・7で、全国平均と0・3の差。公立中学の平均は3・9で全国平均と0・2、公立高校の平均は3・4で同0・3の差があった。
州格差も深刻で、小・中・高の全過程で州別ランキング最下位だったアラゴアス州(以下AL)は懸念材料の一つ。小学過程州別1位のミナス州とALの指数は5・8と3・5、中・高1位のサンタカタリーナ州とALは中学過程が4・7と2・6、高校過程が4・0と2・6のように、各州間の差は大きい。
公立校の多くは州立であるため、Idebには各州の教育行政やその実績も反映されるが、サンパウロ州立校の場合、小中学校の指数は横ばいだったが目標は達成。高校は3・6が3・9に伸び、13年の目標を達成し、高校の州別ランキングが3位から2位に上がった。
サンパウロ市立校では、小学校の指数は4・7が4・8に上がったが目標の4・9以下。中学校も4・2が4・3に改善したが目標の4・6は未達成。学校は増えても教室や教員の数が追いつかない事などが数字にも表れた。