全国で異常乾燥続く=保護区では13%で火災=貯水池の水位低下も深刻
ニッケイ新聞 2012年8月22日付け
全国的に少雨で異常乾燥が続く中、全国各地の保護区の13%で火災が発生、滝の消滅や貯水池の水位低下などのニュースが飛び交っている。
21日付フォーリャ紙によると、全国1570カ所の保護区では、8月前半の15日間に13%に当たる210地区で火災が発生。火災発生最多は、312の保護区中、19・8%にあたる62地区で火災が起きた国指定の自然保護区だ。
次いで高いのは先住民保護区の13・3%で、689地区中92地区で火災が発生。州指定の保護区では、569地区中56地区、9・8%で火災が起きている。
210の保護区での火災発生件数は8月前半だけで3652件で、昨年同月の火災総数4369件の83%に達した。
国が指定した保護区での火災発生最多はトカンチンス州アラグアイアの国立公園で、先週末までに2万ヘクタール焼失。消火にはシコ・メンデス研究所の消防士21人が当たっているが、公園管理者のラオニ・ジャパイアス・マリセ氏は「この数では足りない」とし、消防車も管理担当者も不足との認識を示した。
連邦政府が契約している消防士は国立公園などに1743人、先住民保護区に1900人の計3643人だが、シコ・メンデス研究所の危機管理責任者は、火災の99%は小中規模のものだから現在の人員で十分と見ている。州立公園などは、保護区独自の消防士か軍警消防隊が消火活動に当たっている。
先住民保護区の消火活動担当者は、先住民保護区の火災は保護区外からの延焼が多く、先住民自身も消火活動を行うが、今年に入ってから消防士達が消した火災は1100件以上と語っている。
少雨、乾燥は全国的なもので、G1サイトによると、寒冷前線通過に伴って時的な雨を見る南伯などを除くと、今週も全国的に晴天の見込み。降雨ゼロが21日で34日目に達したサンパウロ市も、26日までは雨が降る見込みがないという。
雨が降らないと、空気が乾燥するほか、大気汚染も深刻化。ほうきやはたきの使用は埃を巻き上げ、乾燥で苦しんでいる人体に更にインパクトを与えるので要注意。
サンパウロ州内陸部のリベイロン・プレットやバレットス、フランカなどは7月18日以来降雨ゼロで、フランカでは飲用水の取水量が26%低下。州内では、45メートルの高さを流れ落ちるはずのアウチオポリスの滝など、少なくとも34の滝が干上がり、1滴の水も見られない状態という。
降雨ゼロの日が20日〜3カ月間に及ぶ異常乾燥状態は18州で報告され、アクレ川の水深が2メートルを割ったほか、貯水池やダムの水位低下も深刻。火力発電の応援が必要となりそうだ。