ニッケイ新聞 2012年8月22日付け
サンパウロ人文科学研究所(本山省三理事長)の8月の研究例会が27日午後6時半から、リベルダーデ区の文協ビル会議室(サンジョアキン街381番地14号室)で開かれる。
『日系人定義の変容とnikkeiアイデンティティ』をテーマに、早稲田大学「移民・エスニック文化研究所」招聘研究員の小嶋茂氏が講演する。
時代とともに「日系人」という言葉の定義は変わり、日本政府の認識も移住当初から大きく変化している。もはや血筋や戸籍などでは定義しきれなくなった現在、「日系人」をどう括るべきかを文献等の資料から確認する。
近年、nikkeiという言葉(アルファベット表記)が日系人、特に三世によって、アイデンティティの表出として特に北米で使用されてきており、日系人を理解する上で重要なキーワードとなっているという。
「文化や価値を共有する人々」という傾向で語られつつある日系人の現在の姿を、先端の日系移民研究から紹介する。
問い合わせは人文研(11・3277・8616)まで。
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こじま・しげる 新潟県出身で、上智大学在学中にブラジルに留学。パラナ連邦大学大学院歴史社会史修士課程を修了し、約10年間の滞在を経て帰国した。ブラジル、米国、カナダなどの多文化社会における日本移民の歴史、日系人のアイデンティティや日系コミュニティの変容に関心が高い。8月末からクリチーバで行われる移民学会にも参加する。