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「日本の技術は世界一」=ネイル・デザイナー ターニャ・エミコさん=全伯大会で見事グランプリ

ニッケイ新聞 2012年8月28日付け

 爪をマニキュアやカラーストーン等で飾り立てる女性のお洒落「ネイルアート」。芸術の域に達している日本の技術に惚れ込んだターニャ・エミコ・プッチさん(39、二世)は日本留学中に技術を学び、帰伯後ネイル・デザイナーとして活躍、3月末にサンパウロ市で開催された「Campeonato Hair Brasil 2012」のネイル部門で見事グランプリに輝いた。TVグローボやTVヘコルジなど大手メディアに取り上げられるほか、美容関係の企業から講習依頼が舞い込むなど、当地美容業界で注目を浴びている。「日本の技術は世界一! それをブラジルで教えているのはまだ私だけ」とタニアさんは目を輝かす。

 当地でもネイルケアは盛んだが、多くはシンプルに色づけするだけのもので「マニクーリ」と呼ばれる。タニアさんのように耐久性に優れた手入れや細やかな装飾を施す技術を持つ専門家は少なく「ネイル・デザイナー」として区別される。
 元は理学療法士で、スキルアップのため理容師の夫・山内ヘナトさんと二人の子どもを連れ、05年に名古屋の理美容専門学校に入学した。その際ネイルアートに出会い、「自分の爪の手入れに」とコース受講を始めた所、「技術が全然違う。奥深くて面白い」とのめり込んだ。
 大阪では在日ブラジル人用にサロンをオープンしたが、日本人と異なるセンスが日本人女性にも人気を呼んだ。帰伯後は、サンパウロ州グアルーリョス市に「Bella Derm」を08年9月に開店。通常のサロンでは4〜500個程度のマニキュアも、約1380個が棚にずらりと並ぶ。「商品の質が断然いいから、道具は全て日本から取り寄せている」と道具一つにも徹底的にこだわる。
 1カ月の来客数はサロン全体で千人以上、2年前に始めたブログの一日の閲覧数は約2千に上る。来月からはサロン内でもネイル教室を開き、ネイル・デザイナーの養成にも力を入れる。将来の夢は「リベルダーデに専門学校を作ること」。
 また「ネイルが好きなだけじゃ駄目」というターニャさんは、名が売れた今もドイツやアルゼンチンなど国外での研鑽も怠らない。
 「ネイルをするにも学歴は必要。私や夫はちゃんとブラジルで大学に行ったからこそ、技術を高めて成功出来た。日本に行くなら出来るだけ多くを吸収し、向こうのいいものを持って帰らないと」と語る。
 たゆまぬ努力で技術とセンスを磨き、日々より多くの女性を幸せにすることが最上の喜びだ。「いいアートを施す秘訣は、丁寧に、そして心を込めて一生懸命やること。それが講習で学んだ大事なこと」とネイルアートにも通じる日本的精神を覗かせた。
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▼サロン住所=Rua Bahia, 537, Vila Rosalia, Guarulhos▼電話=11・2451・3884▼ブログ=www.blogtaniaemiko.com▼料金=ネイルケア(Alongamento)150レアル、装飾各爪5レ、デザイン維持80レ。