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サンパウロ市市長選=ルッソマノが引き続き首位=批判のなきCM奏功か=セーラの支持率は急降下=ハダジはルーラ効果で猛追

ニッケイ新聞 2012年8月31日付け

 ダッタフォーリャが29日に発表したサンパウロ市市長選の最新調査によると、セウソ・ルッソマノ候補(ブラジル共和党・PRB)が支持率1位を保ったが、2位のジョゼ・セーラ候補(民主社会党・PSDB)の支持率が下落、3位のフェルナンド・ハダジ候補(労働者党・PT)が大きく上昇した。30日付伯字紙が報じている。

 21日の政見放送開始後初の調査で1位となったのは20日発表の調査でセーラ氏を抜いたルッソマノ氏だった。支持率は前回と同じ31%だったが、セーラ氏の支持率が5%ポイント減の22%となって差が開き、単独1位となった。
 他方、今回調査で最も大きく上昇したのが3位のハダジ氏で、6%上昇し14%の支持率となった。4位以下は7%のシャリッタ候補(民主運動党・PMDB)、4%のソニーニャ候補(社会大衆党・PPS)、2%のパウリーニョ候補(民主労働党・PDT)、アナ・ルイーザ候補(社会労働連合党・PSTU)とジアナッシ候補(社会自由党・PSOL)は1%で続いた。白紙票は10%で「わからない」が7%だった。
 ルッソマノ氏の選挙CMの時間は2分11秒で、7分40秒のセーラ氏とハダジ氏の3分の1以下だが、支持率は変わらなかった。これについてルッソマノ氏は「〃謙虚であることは一番だ〃と母親に教えられてきたからね」と語った。セーラ氏とハダジ氏は「PSDB対PT」の図式を露骨に表し、互いの批判をし合っているが、ルッソマノ氏は特定候補や政党の批判を行っていない。
 また、セーラ氏は支持率下落に加え、「投票したくない候補」で43%を獲得。最近の市長選で拒絶率が40%を超えたのは04年と08年に一次投票で落選のパウロ・マルフ候補のみだ。ハダジ氏は21%、ルッソマノ氏も15%でその差は大きい。セーラ氏の拒絶率拡大は、ハダジ氏が選挙CMで言及するように、06年の知事選時に任期半ばで辞任したことが思い出されていることや、支持率の低いカサビ現市政の支持を打ち出していることへの反発の表れと見られている。
 ハダジ氏の支持率上昇は、頻繁に流れる選挙CMなどで知名度が64%から75%に上がったこと(ルッソマノ、セーラ両氏は90%を超えている)や、ルーラ前大統領がCMに登場して推薦した効果と見られるが、PTは今回の伸びを「穏やかで期待はずれな数字」と見なしている。
 他の主要都市では、リオのエドゥアルド・パエス市長(PMDB)とベロ・オリゾンテのマルシオ・ラセルダ市長(ブラジル社会党・PSB)が再選確実といえる支持率を維持。レシフェでは、ジェラルド・ジュリオ候補がペルナンブーコ州知事でPSB党首のエドゥアルド・カンポス氏の推す候補であると知れて支持率が急上昇、現職のウンベルト・コスタ氏(PT)と肩を並べた。