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第2次世界大戦=きのうで参戦70周年=伯軍車を集める収集家たち

ニッケイ新聞 2012年8月31日付け

 ブラジルが第2次世界大戦に参戦を決めてから30日で70年を迎えたが、30日付エスタード紙が当時のブラジル軍が使った乗り物の収集家を紹介している。
 1942年8月30日、時のジェトゥリオ・ヴァルガス大統領は米国を中心とした連合国側として参戦することで合意し調印を行った。ブラジルはイタリア戦線に2万5千の陸軍兵を派遣し、443人の犠牲者を出したが「ブラジルが欧州に派兵したことが思い出されることはほとんどない。決して忘れてはならない過去なのに」とサンパウロ州サンベルナルド・ド・カンポの医師ネルソン・マシャドさんは語る。戦車や軍用車両計5台をいつでも動くよう整備しているマシャドさんは、ブラジル屈指の第2次大戦乗り物マニアだ。
 軍警だった父の影響で10代の頃から軍用車両に興味を持ったマシャドさんは、リオの医大に入った後、「軍の乗り物を運転したい」と陸軍に入隊し、10年ほど従軍した。給料が安くて医師に転じたが「僕ほど陸軍を愛している人間はいない」と語る。マシャドさんは、ブラジルが米国から譲り受けて第2次大戦に使用した戦車「M3A1スチュアート」を7千レアルで買い取り、4年の月日と数千万レアルをかけて改装。みすぼらしかった戦車はサンパウロ州内の陸軍兵士の垂涎の的となった。
 また、ブラジルの人気ベテラン・ロックバンド、パララマス・デ・スセッソのドラマー、ジョアン・バローネさんも、父親が参戦したことで大戦に興味を持ち、1998年に伯軍が使用した1944年型ウイリスMBのジープを購入したのをはじめ、軍用ジープも所有。大戦に関するものの収集は趣味の域を超え、今では同大戦に関する本を2冊出版、ドキュメンタリー映画を2本製作、研究会まで発足させた。
 ブラジルの第2次世界大戦参戦に関しては26日付エスタード紙が特集を発行。http://topicos.estadao.com.br/o-brasil-em-armasで閲覧可能だ。