ニッケイ新聞 2012年8月31日付け
ブラジル靖国英霊奉祭会(浜口イネスはるみ会長)は19日、サンパウロ市のイタリア戦線従軍記念館会館で「慰霊祭」を執りおこなった。慰霊祭にはブラジル日本会議のメンバー、日系団体代表、イタリア戦線に出兵した日系兵士、軍関係者ら約130人が出席し、先人の御霊に祈りを捧げた。
昨年に引き続きアデマール・ダ・コスタ・マシャード・フィーリョ陸軍大将、イタリア戦線に参戦し、40数人が参戦した中で現在唯一生き残っている児玉ラウルさん(95、二世)も、家族とともに列席した。
はじめにブラジル日系協会の京野吉男会長があいさつし、浜口会長により靖国神社の京極高晴宮司のメッセージが日ポ両語で代読された。上妻博彦、加藤伸一両宮司による祝詞奏上が行われ、遺族代表として浜口会長が祭文を読み上げた。
玉串奉奠では浜口会長を先頭に、壇上の来賓らは順に玉串を捧げ、神酒がふるまわれた後「海ゆかば」を一同で斉唱した。
アデマール陸軍大将は挨拶で、多くの軍関係者、昨年は来てなかったという若者が列席したことを「非常に重要なこと」と評価し、「日本人は先人を敬うことを知っている民族。児玉さんを見ると、自分の父を思い出して胸がいっぱいになる」と会場に語りかけていた。
12歳で笠戸丸に乗った広島出身の父、良一さんをもつ児玉さんは第二次大戦で出兵した経験を語り、「自分の父母が、移住先として愛すべきブラジルを選んでくれたことに感謝している」と挨拶し、ユーモアたっぷりの話し口調で会場を沸かせた。