ニッケイ新聞 2012年9月5日付け
3日、サンパウロ市市長選立候補者による第2回テレビ討論会が行われ、候補者の顔見世的だった第1回の討論会とは一転して激しい議論が交わされた。4日付伯字紙が報じている。
レッジ局とフォーリャ紙の主催で行われた今回の討論会には、第1回の討論会のときと同じ8人の候補が参加して行われた。世論調査の支持率で4、5位につけているガブリエル・シャリッタ候補(民主運動党・PMDB)とソニーニャ候補(社会大衆党・PPS)が、それぞれ支持率2位のジョゼ・セーラ候補(民主社会党・PSDB)と第3位のフェルナンド・ハダジ候補(労働者党・PT)に厳しい質問を浴びせたことで見せ場を作った。
シャリッタ氏はセーラ氏に対し、サンパウロ州知事時代(2007〜10年)に統合学校を閉鎖したことに関して質問した。セーラ氏はこれに対し「君はテレビの視聴者の前で嘘をつくというのか。私は閉校した覚えはないし、君がアウキミン(サンパウロ州知事)の最初の知事時代に教育委員長をやっていた時(02〜06年)、あの学校を開いたわけではないだろう」と、かつてのPSDBの後輩議員に対し反論した。
これに対しシャリッタ氏は「嘘つき呼ばわりされる覚えはないですね。私は『(10年のPSDB選挙スキャンダルの主犯である)パウロ・プレットを知らない』とか『(不動産不正購入の)アレフを住宅許可局に指名したのは私じゃない』とか『市長はやめない』なんて言いませんから」とセーラ氏を皮肉った。
一方、ソニーニャ氏はハダジ氏に対し「(本来政敵のはずの)パウロ・マルフ氏と組んでいるわけですよね」と質問した。ハダジ氏は「それを言ったらルッソマノ氏はロベルト・ジェフェルソンと、セーラ氏もヴァルデマル・コスタ・ネット氏と組んでいると言えますよね」と、同盟を組んだ党の要人がメンサロン事件の被告であることに言及した上で、「以前から言っているように、私は個人と同盟を組んだわけではなく、ジウマ政権を支持する政党と組んだのです」と答えた。
また、支持率1位のセウソ・ルッソマノ氏はセーラ氏とハダジ氏からの質問を避ける展開を作っていたが、ハダジ氏はルッソマノ氏に「あなたはなぜ私が導入を目指すビレッチ・ウニコ定期券の導入に反対なんですか」と質問を浴びせた。ルッソマノ氏は「実態が見えないからですよ。30日で140レアルというのは解せない」と答えた。それに対しハダジ氏は「実現可能な額を割り出したまでですよ」と答え、「〃実態が見えない〃とは、マルタ(元市長)がビレッチ・ウニコを導入した際にも言われた」と答えた。
また、ルッソマノ氏は所属のPRBについて「ウニベルサル(教会)との関係は」との質問には「私たちは80%がカトリックです」とし、同性愛問題については「私たちは容認派です」と答えた。
今回の討論会に関してのフォーリャ紙は「支持率を落としているセーラ氏に精彩がなかった」との見解を示した。