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ラーモスさくら祭り=今年も山桜1千本が満開=南部各地から2千人来場

ニッケイ新聞 2012年9月15日付け

 ラーモス日伯文化協会(尾中弘孝会長)は2日、サンタカタリーナ州フレイ・ロジェリオ市ラーモス移住地の桜公園で第15回さくら祭りを開催し、今年は例年より多い2千人が来場した。南部各都市から多くの非日系人客が訪れた。
 開会式には在クリチーバ総領事館の山口登総領事も出席し、「桜の美しさに加え、日本の精神や芸術を味わってほしい。地元の人々が日本を知る良い機会に」とあいさつした。
 桜公園では山桜1千本のほか、ツツジ、アゼリアなど計3千本の花が満開。故滝沢正吉(まさよし)さんが桜公園造成委員会の委員長を務め、89年に桜を植え始めてから、今日に至るまで毎年約50本の苗木が植え続けられている。
 当日は、公園内のあちらこちらで芝生に座り込み、花見を楽しむ人々の姿が見られた。舞台でも空手、剣道、舞踊、太鼓などを披露。同移住地のさくら太鼓や、パラグアイ・イグアス植民地のこたろう太鼓などが出演し、舞台を盛り上げた。
 茶室では一日中茶道のデモンストレーションが行われたほか、売店では尾中会長が持ち寄ったブラジルで珍しい麹も販売され、好評を呼んだ。
 同祭にはラーモス移住地50年記念誌の編纂に協力し、同地に滞在していた麗澤大学の丸山康則名誉教授も参加。同移住地で2週間籠作りを教えた妻のきよみさんは、武道館で開かれた展示コーナーで本人や生徒の作品を紹介していた。
 同祭で目を引くのは会場の非日系人客の多さ。フロリアノーポリスやブルメナウ、クリチーバなどパラナ、サンタカタリーナ州の主要都市から、多くの家族連れが車で訪れていた。
 初めての浴衣を試着し、尾中会長と記念写真を楽しんでいたのは、フロリアノーポリスから訪れたリス・コメラット・アルベスちゃん(7)。「朝5時に家を出発した」と話す母エジィさんは会場の様子に大満足、「遠くから来た甲斐があった。来年もぜひ来たい」と話していた。
 来場者数は一昨年の1千人からぐんと増え、今年は倍の2千人に。尾中会長によれば「特にお金をかけた宣伝はしていない。口コミでどんどん来場者が増えてくる」。同地桜祭りについて「ここではより日本らしいおもてなし、花、気候の3点で来場者をお迎えしたい」との心意気を語っていた。(長村裕佳子クリチーバ通信員)