ニッケイ新聞 2012年9月18日付け
サンパウロ市南部で行われていたマラソン大会のコース内に、車が突入し7人のランナーをひく事件があった。17日付伯字紙が報じている。
16日午前8時30分頃、サンパウロ市南部イピラプエラ公園周辺で行われていた「第20回ポン・デ・アスカール・マラソン」の途中、黒い車がコースに指定されているペドロ・アルヴァレス・カブラル大通りに侵入し、ランナーからして右側にあたる沿道の柵にぶつかって止まった。
この車の突入により、走行中のランナー7人がひかれ、道に倒れて頭を打った女性と、骨折をした男性が直ちに病院に搬送された。残りの5人は緊急移動診療車(Samu)で手当てを受け、いずれも軽傷で済んだ。
軍警はこの車を運転していた金属工リカルド・ゴンサウヴェス・ドス・サントス容疑者(32)を殺人未遂の容疑で逮捕した。調べによると、サントス容疑者はこの日、サンパウロ市西部にあるヴィラ・ロボス公園に友人たちとサッカーをしに行く途中、スピードの制御がきかなくなり、信号無視をおかしてマラソン・コースに侵入したという。
同容疑者は前日の15日には夜遅くまで飲酒していたものの、この日の呼気中アルコールの検査では飲酒運転の反応は出なかった。だが、同容疑者の運転を無責任だと判断した軍警は、法医学研究所(IML)に同容疑者の血中アルコール量の検査を求めた。今年の3月、最高裁は呼気中アルコールと血中アルコールを飲酒運転による犯罪基準として定めている。
この車がコース内に侵入し沿道に激突した直後、サントス容疑者は参加していたランナーたちに追われ、リンチを受けていた。同大会は人気の市民マラソンで、今年も3万2千人の応募があった。