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サンパウロ市モイーニョ=火災後も住人ら居座る=警備隊と衝突し負傷者も

ニッケイ新聞 2012年9月22日付け

 サンパウロ市中央部のファヴェーラ・ド・モイーニョで市警備隊と住人が衝突し、負傷者が相次ぐ事態になっている。21日付伯字紙が報じている。
 同貧民街では17日に大火災が起き、80世帯が焼け出され、300人が家を失ったのに加え、上にそびえるオルランド・ムルゲル高架橋にもダメージを与えた。高架橋からはコンクリートの塊が落下する可能性もある。
 市は住処を失ったモイーニョの住人に立退きを求めているが、住人は同地に居座りをきめ、新住居作りをはじめた。そのため市は18日、同貧民街に85人の警備隊を投入し、強制立退きを迫った。ところが、住人らは投石などで反抗し、住人警備隊双方合わせて9人以上が負傷する事態に発展している。
 その後、警備隊と住人の対立は20日夜にさらに激化した。警備隊は、住人たちに新居を作るのを強制的にやめさせるべく、からしスプレーやゴム弾を撒き、少なくとも5人が負傷し、警備員側にも3人の負傷者が出た。
 混乱の最中に住人の1人が銃弾を受け病院に運ばれたが、命に別状はなかった。警備隊は銃の使用を否定している。事態は午後8時30分頃に通報を受けた軍警がかけつけ鎮静したものの、軍警パトカーも4台が破損するなどの被害を受けた。
 その夜、エドゥアルド・スプリシ上院議員が午後9時30分頃かけつけ、ゴム弾で負傷した住人などを目撃したため、警備隊に話し合いを求めたという。同氏はカサビ市長にも事情を聞きたいと話している。
 市は現在も同高架橋の修復作業と、すぐ横を走るパウリスタ都電公社(CPTM)8号線の本格復旧に向けての作業を行なっている。同高架橋は19日に一部開放されたものの、全面再開通のめどはまだ立っていない。