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1日は「国際高齢者デー」=ブラジルでも少子高齢化進む
ニッケイ新聞 2012年10月3日付け
今月1日は「国際高齢者デー」だったが、それに合わせ、伯字メディアが高齢者に関するデータを発表している。
1日にスイスのジュネーブで発表された国連人口基金(UNFPA)の報告によると、現在、世界人口の11・5%(9人に1人)が60歳以上だという。特にこの10年は、栄養状態の改善や医学の進歩、健康への配慮や経済状況の良好化などによって、高齢者人口が1億7800万人増加しており、現在は8億1千万人。このままのペースで高齢化が進むと10年後には10億人を突破し、2050年には20億人が高齢者となる計算だという。
こうした状況に対し国連は、各国の高齢社会対策が不十分であるとの見解を示している。高齢者人口の増加は近年では発展途上国にも及んでいるが、高齢者に対する社会保険が整っている国は世界全体の3分の1しかなく、発展途上国では国内総生産(GDP)の0・7〜2・6%にあたる額を年金として支払っている状態だという。
また、ブラジルでも高齢化は進んでいる。1960年には高齢者は全体の4・7%の331万人だったが、2000年には8・5%の1453万人となり、2010年には10・8%の2059万人に及んでいる。また、その一方で少子化も進み、ブラジル人女性1人あたりが産む子供の数は2010年には1・9人となり、60年の6・3人と比べ3分の1以下に激減した。
現在、60歳以上の人の数が人口の30%を超えている国は日本のみだが、このままのペースで高齢化が進めば、60歳以上の人口が15歳以下の人口を上回ると見られている2050年には、世界64カ国で高齢者が人口の30%を超すようになるという。