ニッケイ新聞 2012年10月3日付け
ブラジル日本交流協会(二宮正人会長)は先月15、16日の両日、研修生14人による「中間報告会」を日本語センターで行った。OBや研修先の同僚など約60人がそれぞれの奮闘に耳を傾けた。
サンパウロ州ジアデマ市のトヨタ・マテリアル・ハンドリングで研修する小西航矢さん(21、大阪)は、平時の研修業務とは別に従業員らを対象とした日本語教室を開講したことを報告。自ら人事部との交渉を行って教室等を確保したことについて触れ、「実務的には何も貢献できないので、何か恩返しがしたかった」と心境を語った。
上智大学でポ語を専攻する宮澤啓さん(22、神奈川)はサンタカタリーナ州ラージェス市のヤクルトリンゴジュース工場で研修、ほぼ完全なポ語環境だという。「翻訳家になりたいという目標がより明確になった。またブラジルに戻りたい」とブラジルでの大学院進学にも意欲を見せた。
南大河州カシアス・ド・スール市の同日伯協会で日本語教師として研修する野見山真瑠子さん(22、千葉)は「教壇に立った経験もなく、満足なポ語も話せず大変だったが、今では授業よりお喋りが多くなるほど生徒らと打ち解け、楽しい毎日を送っている」と語り、会場を訪れた同協会のジュッサーラ・リマ代表は「来伯当初は内気で引っ込み思案だった彼女が、これだけ堂々と発表が出来る立派な女性になってくれたことを本当に嬉しく思う」と目を細めて話した。
14人それぞれの発表が終わった後には、二宮会長から「何事も健康が第一。体調に気を付けて有意義な後半戦を」との激励の言葉がかけられ、恒例の親睦シュラスコ会が開かれた。