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統一地方選=モジで5市議当選の快挙=サンパウロ市は大田、野村、羽藤3氏=各地で善戦した日系政治家=サンパウロ州の主要都市を調査

ニッケイ新聞 2012年10月9日付け

 全伯の市長・市議を選出する統一地方選挙が7日に行なわれ、同日開票された。サンパウロ市では日系市議が3議席を獲得したほか、モジ市では5議席という大躍進を果たした。主だった市の選挙結果をニッケイ新聞が調査したところ、サントスでは中井貞夫氏が華々しくトップ当選したほか、PSD市議が各地で増え、日系市議が地歩を固めていることが分かった。これ以外にも当選者がいる可能性はあり、折をみて続報をしていく予定だ。

 55議席をめぐって1227人が立候補したサンパウロ市議選では、日系候補は3人が当選し、現在より1議席増えた。中でも新人だが妻が連邦下議の大田正高氏(PSD)が6万2693票を獲得して7位で当選、現職の野村アウレリオ氏(PSDB)、父であるサンパウロ州議の地盤を受けついた羽藤ジェオルジ氏(PMDB)も、それぞれ得票数2万9239で44位、2万4611票で50位につけて当選した。
 ただし、5期目を狙ったベテラン議員の神谷牛太郎氏は2万2683票で70位、故小林パウロ下議の息子ヴィトル氏は1万9198票で87位と健闘したものの惜しくも落選し、明暗を分けた。
 現職をふくむ約30人の日系人が〃乱立〃したサンパウロ市議選だが、7人以外は200位以下の得票にとどまり、「日系票」を奪い合う形になったことも要因の一つといえそうだ。
 サンパウロ州内で特筆すべきはモジ市で、23人の当選者のうちなんと5人が日系議員だった。安部ジュリアーノ氏(PSD、安部順二連邦下議の息子)が5923票でトップ当選しており、加えてサダオ・サカイ(PR、7位)、クラウジオ・ミヤケ(PSDB、9位)、ペドロ・コムラ(PSDB、16位、現職)、オリンピオ・オサム・トミヤマ(PSC、18位、現職)の4氏も当選した。
 日系人は全人口のうち8%のモジ市で、5人(議席の22%)を日系市議が占めるのは極めて異例。同市文協の中山喜代治会長も、「日系人の存在感を裏付ける素晴らしい結果。農業や文協活動への理解と支援に期待したい」と喜びの声を上げる。
 ビリチーバ・ミリン市ではジョルジ・ミシマ氏(PSDB)が通り、大サンパウロ市圏のサンベルナルド・ド・カンポ市では南洋行氏(現職、PSDB)は3位で当選、マウロ・ミヤグチ氏(DEM)も25位で入った。
 聖南西ではイビウナ市でパウリーニョ・ササキ氏(PTB)が1位、ピラール・ド・スル市ではタカシ・イリヤマ氏(PDT)、ソロカバ市でもフランシスコ・ヤビク氏(PSDB)が通った。
 グアルーリョス市ではエルメール・ゴメス・ハヤシグチ氏(PSC)、サントス市では中井貞夫市議(PSDB)が6253票を獲得してトップで当選した。
 カンピーナス市は現職のルイス・ヤビク、パウロ・オオヤ両氏はともに落選した。オザスコ市は現職のファビオ・ヤマト氏(PSDC)が三期目の当選を果たし、アチバイア市でも現職のエミール・オノ氏(PTB)が2082票でトップ当選した。
 バウルー市ではロベルヴァル・サカイ氏(PP)、13議席のマリリア市ではヨシオ・セルジオ・タカオカ氏(PSB)、シルビオ・サダオ・ハラダ氏(PR)の2人が当選し、サンジョゼ・ドス・カンポス市はアメリア・ナオミ・オオムラ氏(PT)、ワルテル・ハヤシ氏(PSB)がそれぞれ3位、9位で当選した。


続々と誕生する日系市長=スザノ、イタクアでも

 サンパウロ市近郊の市長選ではスザノの企業家パウロ・トクズミ氏(PSDB)が4万7836票を獲得して当選、イタクアケセツーバ市でもマモル・ナカシマ氏(PTN)が決めた。
 サンパウロ州の地方ではアンドラジーナ市で現職の小野ジャミール氏(PT)が67・69%の得票率で圧勝した。同じくペレイラ・バレット市ではアルナルド・エノモト氏(PSDB)、ペドロ・デ・トレド市ではセルジオ・ヤスシ・ミヤシロ氏(PSB)が再選を決めた。
 ポンペイア市では現職のオスカル・ノノ・ヤスダ氏(PP)が51%、カイエイラス市ではロベルト・ハマモト氏(現職、PSD)が65%、カジャチ市ではルイス・コガ氏(現職PSDB)がなんとほぼ全市民といえる98%の得票を得て当選した。
 ヴァウパライゾ市ではマルコス・ユキオ・ヒグチ氏(PSDB)、グアランタン市でもヨシノリ・イノウエ氏(現職、PSD)が市長に当選した。
 現職の女性市長としてはパラー州イガラッペ・アスーの上杉サンドラ市長(PR)が46・72%の得票率で圧勝した。サンパウロ州セッテ・バーラス市の宮下ニウセ市長、マラニョン州アマランテ・ド・マラニョン市の鎌田アドリアーナ市長はそれぞれ落選に終わった。