ニッケイ新聞 2012年10月10日付け
7日に行われた全国市長選挙後、ブラジルメディアが早速14年の大統領選の予想をはじめており、ジウマ大統領(労働者党・PT)の対立候補としてアエシオ・ネーヴェス氏(52、民主社会党・PSDB)とエドゥアルド・カンポス(47、ブラジル社会党・PSB)の名前をあげている。9日付フォーリャ紙が報じている。
アエシオ氏とカンポス氏はかねてから大統領候補に名前があがっていたが、両氏が推した市長候補が各々が地盤とする州の州都でPT候補を破るという選挙結果を前に、ジウマ大統領ならびにPTがそれを再確認したと言われている。
アエシオ氏は80年代のブラジル民主化に貢献したタンクレード・ネーヴェス元大統領を祖父に持ち、自身も前知事ということで、ミナス・ジェライス州では絶大な支持を誇っている。ベロ・オリゾンテの市長選では、同氏推薦のマルシオ・ラセルダ候補(PSB)が、ジウマ大統領自らが応援演説を行って話題となったパトルス・アナニアス候補を寄せ付けず、1次投票での当選を果した。
また、PSB党首でペルナンブーコ州知事のカンポス氏も、レシフェでの選挙で、無名だった同党のジェラルド・ジュリオ氏を推薦。ジュリオ氏はPTのウンベルト・コスタ氏を圧倒し、市長の座を獲得した。またPSB自体も市長数を37・8%、総得票数を50・8%上げ、共に最大の伸び率を示した。
9日付フォーリャ紙は、注目される両氏へのインタビュー結果を掲載した。まず、「自身は14年の大統領候補か?」との質問に、カンポス氏は「まだ早すぎて考えもしていない」と答え、同党のシロ・ゴメス氏が98年と02年に大統領選に立候補(当時・社会大衆党・PPS)したことを尊重し、「シロとシディのゴメス兄弟は党内でも大切なリーダーの一人」とも語った。それに対しアエシオ氏は、「PSDBでは13年の末から検討に入るのでわからないが、自分が指名されるなら出馬する準備は出来ている」と答えた。
また一説では、アエシオ氏がPSB党員であるラセルダ氏をミナス・ジェライス州知事として推すことでカンポス氏と共に大統領選を戦うのではないかともいわれている。それに対しカンポス氏は、現在PSBが連邦政府を支持する立場であることを強調しつつも、ミナスでのPSDBとのつながりを肯定した。一方、アエシオ氏は「古くからのよき友人でもあるエドゥアルドの立場を尊重したい」とし「PSB独自またはPSDBとの計画を立てる場合は、PSBが先に意思表示すべきだ」と語った。
また、「PTの14年の候補は?」の質問には両者共に「ジウマだろう」と答えている。